矢板中央FW堀内凰希 [写真]=柳澤健太
第103回全国高校サッカー選手権大会3回戦が各地で2日に行われ、矢板中央(栃木)と上田西(長野)の一戦は、前後半に1得点ずつを挙げた上田西が2-0で勝利し、ベスト8進出を果たした。
矢板中央の10番を背負う堀内凰希は前線で果敢にしかけ、守備でもハードワークしたが1点を奪うには遠かった。「自分たちの課題であった、引かれた時の決定力という部分が最後に出てしまったと思います」と、上田西の集中して体を張った守備を最後までこじ開けられなかったことを悔やんだ。
堀内自身は長野県出身。「高いレベルに行きたいと思って、矢板中央に来ました。高いレベルで揉まれたかったので、他のチームも考えましたが、矢板中央に決めました」と地元を出て自身を磨いてきたが「(相手が)地元というので複雑な思い、気合い、難しい思い、いろいろな思いがあって、絶対勝ってやろうという気持ちだったんですけど、勝てなくて。何のために県外に出たんだって。県外にわざわざ出て成長しに行ったのに、地元チームに負けてしまって、苦しい、苦しい思いです」と絞り出すと、悔し涙が止まらなかった。
対戦した上田西に何人も知り合いがいて、相手スタメンでもPKストップなどの好守を見せたGK牧野長太朗、2点目と決めたFW柳沢纏が「地区トレセンがずっと一緒で、小学校では一緒にずっとやっていた仲間」だった。試合前にも「絶対に負けないということはお互いに話していました」と言葉をかわしていただけに、悔しさも大きかった。
その上田西の柳沢も、「絶対に負けたくないっていう気持ちがあったので。勝ちは絶対譲らないという気持ちはありました。佐久トレセンという佐久地区の選抜があって、そこで一緒に。(堀内は)昔からすごくボールを持てる選手で、良き仲でもあったんですけど、良きライバルでもあったので、絶対に勝とうと思っていました」と、堀内同様、やはり負けられない強い思いを持ちながら臨んだことを明かしている。
「今日が一番悔しかった」という堀内。卒業後は2024年度のインカレ準優勝の新潟医療福祉大学に進学予定。「最後に決め切る部分がまだまだ。サッカーはまだ終わらないので、そういった課題を直して、プロを目指してやっていきたい」とし、「誰よりも苦しい思いをしたと思うので、この苦しい経験を生かしていきたいと思います」と、矢板中央での高校3年間の最後はつらい結果に終わったが、次の4年間で進化した姿を見せることを誓っている。
By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長