勝利直後の田中章仁(左)と佐藤大介(右)
「IBSA ブラインドサッカー世界選手権 2014」の5位決定トーナメントが22日に国立代々木競技場フットサルコートで行われ、ブラインドサッカー日本代表がブラインドサッカードイツ代表と対戦した。
日本は前日の準々決勝で敗れて目標のベスト4に届かず、ドイツには3月のノーマライゼーションカップで0-3と敗戦を喫していた。しかし、「これから先、我々が世界で戦っていくためには、今日の勝利が絶対に必要」と魚住稿監督が語ったように、勝利を掴むべく序盤から日本の攻め込むシーンが目立つ。
開始早々の1分には、FW落合啓士がドリブル突破からFKを獲得。落合自身の放ったシュートは外れたが、7分にMF黒田智成、10分には再び落合がゴールを狙った。
攻勢をかける日本は、13分のタイムアウト直後についに均衡を破る。黒田がドリブルシュートを放つと一度はGKに阻まれたが、リバウンドに再び黒田。「最後はきれいなシュートではなかったが、何がなんでもゴールにねじ込んでやろうという気持ちで蹴った」と振り返った通り、降雨の影響でピッチコンディションの悪い中でも、しっかりと詰めていたからこそ生まれた先制弾となった。
日本は前半終了間際の24分に、決定的なシュートを打たれたが、GK佐藤大介が好セーブ。1点リードで前半を折り返した。ところが後半に入ると、ドイツの体格差を生かした反撃に遭う。日本は攻め込まれる時間帯が続いたが、黒田が「タフに体をぶつけていった」というように体を張った守備で対応した。
「ドイツは非常に突進力があると選手達にはもちろん伝えたが、(恐怖心)の克服は選手達の個人の努力。我々が何か言葉をかけたからうまくできたわけでなく、本当に彼らの努力の賜物だと思う」
魚住監督が試合後に称賛した通り、日本は体格差のある相手に対して最後まで闘志溢れるプレーで戦い抜き、完封に成功。1-0で勝利し、今大会の2勝目を挙げるとともに、24日の5位決定戦に駒を進めた。
日本の過去最高成績は、2006年大会の7位。既に記録更新は決まったが、指揮官は「5位と6位では全然違うと思う。目標をベスト4に掲げていたので、なるべくそこに近づくためにも、最後も勝って5位で終わりたい」と意気込み、殊勲の決勝ゴールを挙げた黒田も最終戦を見据えている。
「まずはしっかりとしたディフェンスから入って、その中でカウンターから是非ゴールを挙げ、勝ってみんなで喜び合って、この大会を終えたい」
5位決定戦は、奇しくも開幕戦と同カード。相手は南米の雄、パラグアイとなった。