締結式には大仁邦彌会長(左)と森田健作知事(右)が出席した
11日、日本サッカー協会(JFA)は県立幕張海浜公園における「JFAナショナルフットボールセンター(仮称)」の設置に向けて、千葉県と基本協定を締結した。
これまで日本サッカー協会は、行政などと連携しながら39都道府県、49カ所に天然芝や人工芝のグラウンドとクラブハウスを備えた「フットボールセンター」を整備してきた。残りの8都道府県への整備も順次進めていく予定だが、今回はそれとは別に日本サッカー協会が管理する専有施設を建設する。
県立幕張海浜公園を整備用地候補とした理由には、空港や試合会場への交通アクセスにおける利便性や、病院などの周辺環境が整っていることに加えて、十分な広さが確保できることが挙げられる。敷地面積は14ヘクタールで、グラウンドは天然芝2面(メイン、サブ)、人工芝1面、フットサルコート2面、ビーチサッカーコート1〜2面を設置予定。その他、雨天時でも利用できるトレーニング場やクラブハウス、駐車場の設置を計画している。
締結式には大仁邦彌会長と千葉県の森田健作知事が出席。当初は日本サッカー協会が創立100周年を迎える2021年の完成を目指していたが、2020年の東京オリンピック開催が決定したことを受け、森田知事は「幕張はフェンシング、レスリング、テコンドーの3種目を開催します。可能ならばオリンピックの開催前にできあがってほしい」と東京オリンピックでの活用を視野に入れ、2019年中に一部施設の使用可能を希望した。
大仁会長が「代表チームの強化拠点としてはもちろん、選手の育成強化、指導者や審判員養成の機能を有する自前のフットボールセンターを持つことが長年の夢だった」と語ったように、総工費約40億円を投資する同施設は日本代表の練習拠点となる他、審判員や指導者の研修会を行う。さらには国際交流や国際貢献活動として機能するよう、海外チームに練習場として提供することを検討。「海外チームにも満足してもらえるような世界レベルのフットボールセンターにしたい」と高水準の設備にしたいとの意欲を示した。
基本的には日本サッカー協会が使用するためのグラウンドだが、一般への貸し出しも検討しており、大仁会長は「地域住民も楽しめるような施設をぜひ作っていきたい」と積極的に幕張エリアの活性化と地域スポーツ振興にも寄与する構えだ。
世界のサッカー先進国のように協会専有のトレーニング施設を持ち、日本代表の強化拠点とすることが最大の狙いだが、千葉県との相互協力もと地域の振興や活性化、サッカー振興など双方の新たな発展を目指す。
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