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【全国社会人サッカー選手権大会】5日連戦を同じメンバーで戦った三菱水島FCが優勝

2016.10.27

優勝した三菱水島FCの選手と賞を授与した田島幸三JFA会長 [写真]=前田カオリ

 10月22日(土)から26日(水)の5日間にわたり、『第52回全国社会人サッカー選手権大会(第72回国民体育大会サッカー競技リハーサル競技)』が愛媛県愛南町や松山市、宇和島市、新居浜市、西条市で開催された。

 上位3組はJFL昇格を懸けた『全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2016』(地域CL)に進出できるため、昇格を目指すチームにとっては今シーズン最後の出場権獲得のチャンスになる。リーグ優勝して出場権をすでに得ていた東京23FCとFC今治は共に2回戦で敗退し、福島県2部のいわきFCが準々決勝まで勝ち上がるなどの混戦の中、入賞して地域CLへの切符を得たのは以下の3チーム。

優勝・フェアプレー賞:三菱水島FC(中国リーグ/岡山県)
準優勝:鈴鹿アンリミテッドFC(東海リーグ1部/三重県)
第3位:ヴィアティン三重(東海リーグ1部/三重県)

 延長戦でも勝敗がつかずPK戦にもつれ込んだ決勝を制して優勝を果たした三菱水島は、5日間すべてを同じスターティングメンバーで戦った。守備に回る場面が多く、攻守の切り替えの速さで勝負するスタイルであるにもかかわらず、決勝戦での負傷交代以外は試合終了間際にしか選手を交代していない。

 菅慎監督が「仕事の都合で参加できるメンバーが限られていた。その中でも、非常にタイトなスケジュールで出場していた選手もいる」と話すように、鈴鹿の4本目のPKを止めたGK松本祐樹は、大会中に試合会場と岡山を往復。岡山での夜勤を終えてからピッチ内アップが始まる直前にチームと合流し、試合が終わればすぐに会場を後にするような状況だった。

「日頃の練習は、夜に1時間程度。45分4本の練習試合をしたこともあったが、体力面に関しては、選手たち自身が日頃から意識を高く持って自己管理してくれているからに他ならない。そのおかげで、コーチを兼任している山下聡也を中心に、5連戦を同じメンバーで戦うことができた」と選手たちをたたえた。

 また、今年の天皇杯岡山県予選を出場辞退した件も踏まえ、「練習したことを発揮できる場所があってこそ、仕事をしながらでも好きなサッカーに取り組める。選手たちは大会中、今年最後の試合だと思って出場した。相手に合わせて戦術を使い分ける器用なチームではないが、自分たちにできることを最大限にやって、高いレベルで試合できることを思い切って楽しんだことが優勝につながった」と語っている。

 準優勝の鈴鹿アンリミテッドFCと同じくJクラブのない三重県からJリーグ入りを目指しているヴィアティン三重は、3位決定戦でジョイフル本田つくばFCに2-1で勝利。海津英志監督は「良いチームを相手に厳しいゲームを戦い抜き、ようやく地域CLの出場権を得ることができた。地域CLは3日間なので、この5日間を最後まで必死に戦わなければならなかったことをポジティブに捉え、準備していきたい」と意気込んだ。

 地域CLの1次ラウンドは、11月11日(金)から13日(日)に愛媛県西条市、山梨県富士吉田市、富山県富山市で開催。上記3チームと各地域リーグ王者であるノルブリッツ北海道(北海道)、コバルトーレ女川(東北I)、東京23FC(関東)、アルティスタ東御(北信越)、FC刈谷(東海)、アルテリーヴォ和歌山(関西)、SRC広島(中国)、FC今治(四国)、J.FC MIYAZAKI(九州)が、4チームごとの3グループに分かれて3日連続のリーグ戦に臨む。

 グループの組み合わせ抽選会は10月29日(土)に JFAハウスで実施。抽選会の模様は、関西サッカーリーグの公式Ustreamチャンネル『KSLTV』(http://www.ustream.tv/channel/the-ksl-awards-2011)で14:30より中継される。

文・写真=前田カオリ

By 前田カオリ

関西の社会人リーグを中心に育成年代など取材。

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