イタリア・セリエAで最多34回の優勝を誇るユヴェントスが、2017年4月に東京と横浜で『ユベントスアカデミー』を開校する。これを記念して6日に横浜市内の『キャプテン翼スタジアム横浜元町』で『ユベントスアカデミーTOKYO サッカー教室』が開催され、クラブOBの元フランス代表FWダヴィド・トレゼゲ氏がゲストとして参加した。
2000-01シーズンから09-10シーズンまでユヴェントスでプレーしたトレゼゲ氏は、前日の5日にユヴェントスレジェンズの一員として、「日伊国交150周年ユヴェントスレジェンドチャリティーマッチ」(正田醬油スタジアム群馬)に出場した。今回のサッカー教室は試合翌日の開催となったが、同氏は日本の子どもたちと直接触れ合うために会場を訪れた。
ユヴェントスのクラブソングである『インノ・ユーヴェ』が会場に流れ、集まった小学生(1~6年生・62名)がレジェンドの登場を心待ちにする中、選ばれた小学生2名とともにトレゼゲ氏が登場。小学生のシュートチャレンジとともにイベントがスタートした。同氏は「クラブを代表してみなさんにユヴェントスのフィロソフィーを伝えるために来ました」と意気込む。間近で見るトッププレーヤーの姿に子どもたちからは大きな歓声が沸いた。
トレーニングではイタリアから来日したコーチらが小学生を指導。両サイドからゴールに向かってボールを取り合う一対一や、実戦形式に近い練習などが行われた。シュートトレーニングには実際にトレゼゲ氏も参加。小学生にあっさりと抜かれてしまい、思わず苦笑いする場面も見られた。
なお、今回の『ユベントスアカデミーTOKYO』のテクニカル・ダイレクターには、元日本代表監督アルベルト・ザッケローニ氏の通訳を務めた矢野大輔氏が就任する。開校に向け、矢野氏は「“明るく楽しく”をモットーに、ユヴェントスのメソッドをしっかりと子どもたちに伝えたい」と意気込み。トレーニングの特長としてはトップチームと同じく「ゲームを支配する」部分を重視し、練習時間にメリハリをつけたリズムのあるものになるという。また、日本の子どもたちは全体的にシャイな傾向も強いが、「イタリア人コーチとの交流を通じて、より積極的にコミュニケーションを取る姿勢を身に着けてほしい」と人間性においても成長してほしいと語った。
来日したコーチのカルロ・マステッローネ氏は、日本の子どもたちの印象について「トレーニング方法を説明する時もしっかりと聞いているし、真面目な気質がユヴェントス・メソッドとマッチしている。日本の子どもたち、コーチたちと私たちが力を合わせれば、絶対に素晴らしいものができると思う」と高い可能性を感じていることを明かした。指導方針についても「ユヴェントスというクラブは、規律を守ることや、サッカー選手としてだけでなく一人の人間として優秀であることを求めます。クラブのモットーとして『Fino alla fine(最後まで諦めない)』という言葉がありますが、そうした人として重要な部分も伝えていきたいです」と語ってくれた。
クラブは独自のフィロソフィーのもと、2016年までに世界12か国15都市で「ユベントスアカデミー」を設立し、今後も世界のさまざまな国で開校を予定。来年4月に日本で初めて開校予定の『ユベントスアカデミーTOKYO』では、トレーニングを通して戦術、精神、対人能力を向上させ、サッカー選手としてだけでなく人間としての成長を支援する。