11月10日(金)、国際親善試合で日本代表と対戦するブラジル代表。言わずと知れたサッカー大国だが、自国開催の2014年ブラジル・ワールドカップでは準決勝でドイツ代表に1-7という歴史的大敗を喫し、16年のコパ・アメリカ・センテナリオではまさかのグループステージ敗退となるなど、苦しい時代も過ごした。
そんなブラジルを激変させたのは、16年6月20日に就任したチッチ監督。就任以来、18年ロシアW杯の南米予選では10勝2分、4節を残して本大会出場権を獲得と圧倒的強さを見せつけている。
「彼はセレソンが成長し、この変化を得たことに関する重要な人物だ。僕らは彼と彼のアイデアについていくことで、ベストな形で目標を達成したんだ」。ダニエウ・アウヴェスがそう語るように、チッチはブラジル代表に大きな変化をもたらした。
では、チッチの“改革”とは一体どのようなものなのか。彼はどのような方法で、ブラジルを劇的に変化させたのだろうか。
チッチ監督改革①
『スタメンを固定してコンビネーションの熟成を進めながら選択肢を増やしていく』
チッチが主に起用するメンバーは次の通りだ。GKはアリソン、DFは右からD・アウヴェス、マルキーニョス、ミランダ、マルセロ。中盤はアンカーにカゼミーロを置き、その前にパウリーニョとレナト・アウグスト。前線は3トップで、右からコウチーニョ、ガブリエル・ジェズス、ネイマール。状況次第ではセンターバックにチアゴ・シウヴァ、左サイドバックにフィリペ・ルイス、右ウイングにウィリアン、センターフォワードにロベルト・フィルミーノなど、控えの選手を先発起用することもあり、また他の選手を新たに招集し、観察する手法も採用している。
チッチはこの狙いについて次のように語っている。
「選手を入れ替えるとしても2人ぐらい。入れ替えすぎると組織を失ってしまう。代表チームに対しては“協力”が必要だが、選手たちは代表にいるために“競争”をしなければならない。そして招集されるためには自分のクラブでいい活躍をしなければならないと選手たちに話している」
チッチ監督改革②
『キャプテンの持ち回り制』
従来のブラジル代表はドゥンガやカフー、ルシオなど、強烈なキャプテンシーを持つ選手がキャプテンを務めてきたが、チッチは試合ごとに違う選手をキャプテンに任命している。責任を分担する一方、誰もが自分の重要性を感じられる画期的なアイデアと言える。
カゼミーロはチッチの狙いについて次のように説明している。
「キャプテンになるのがどれほど幸せか、言葉では表せないほどだ。もちろん責任はすごく重いけど、監督がみんなにキャプテンを務めさせているのは、ピッチの中に11人のリーダーがいてほしいからなんだ。僕の考えでは、監督がキャプテンを持ち回りにするのはそういうこと」
独自の手腕でブラジル代表の強化に成功したチッチ監督。11月の日本戦、イングランド戦に向けては25人を招集し、記者会見の席上で「今この瞬間から、我々は――特に私は――日本の特徴とイングランドの特徴を徹底的に研究する」と語った。チッチ率いるブラジル代表に対し、日本はどのような戦いを仕掛けるのだろうか。
11月10日の『スカサカ!ライブ』は通常の午後9時からではなく、午後11時から生放送される。直前に行われる日本代表対ブラジル代表の親善試合レビューの他、レギュラー解説委員を務める岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く!」~ウニオン・ベルリン内田篤人篇~後編などが放送される。
By サッカーキング編集部
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