日本代表通算116キャップを誇り、現在はJ3のSC相模原でプレーする川口能活が、UEFAチャンピオンズリーグで活躍するGKのプレーを解説した。
川口がまず注目したのは、レアル・マドリードの守護神ケイロル・ナバスだ。「ナバスの飛び出し、好きなんですよね」と語る川口は、CLグループステージ第3節トッテナム戦でハリー・ケインのシュートを防いだシーンについて、次のように解説した。
「コースの消し方がうまいし速い。(相手が)トラップした時点で狙っているので、FWの選手(ケイン)が考える時間をなくしているし、アプローチが本当に速い。上背はない(身長185センチ)ですけど、一対一の絶対的な強さ(の理由)は予測、寄せの速さ。これが彼の強みですね。ケインが考える時間をほぼなくしているので、これは本当に参考になると思います」
同試合では、トッテナムのゴールマウスを守るウーゴ・ロリスのプレーにも注目。カリム・ベンゼマのヘディングシュートをストップしたシーンを取り上げ、「最高峰のプレー」と絶賛した。
「『間に合わない』と思って体を投げ出しているんですよね。クロス、シュートに対して止まることは、もちろん基本は基本なんですけど、やっぱり間に合わないシーンがあるから、体を投げ出して、体全部を使ってシュートコースを消している。体のどこでもいいから当てるという技術ですよね。ポジション移動しながら、ダイブしていかないと間に合わない。体を使ってブロックすることでシュートコースがなくなる。トップレベルの、トップクラスのセーブですね」
この二人について、川口は「GKが一対一で防がなければならないシーンは必ずあるんですけど、彼らはそこで必ずビッグセーブをしてチームに流れを引き寄せてくれる」と評価している。
また、マンチェスター・Uのダビド・デ・ヘアについては、CLグループステージ第4節ベンフィカ戦でディオゴ・ゴンサルヴェスのシュートを横っ飛びでフィスティングした場面を分析している。
「(手が)伸びるんですね、デ・ヘアは。グラウンダーのボールに非常に強いし、最後までボールを見ているから伸びる。世界的なGKはみんな最後まで見ているんですよ。それによって指先まで伸びて最後のタッチ(ができて)、コースを変えることでシュートを防いでいる。フィスティングのお手本のようなプレーですよね」
そしてマンチェスター・Cのエデルソンについては、CLグループステージ第3節ナポリ戦で見せたPKでの駆け引きについて解説した。
「エデルソンがかなりフェイントをかけていますね。下半身のステップのフェイントだけではなく、上半身も使っている。ナポリの選手(ドリース・メルテンス)が戸惑ってしまって、心理的な駆け引きに負けて(シュートが)甘いところに行ってしまった。そこに対してエデルソンがしっかりと体を残していた。上半身、下半身のフェイントをうまく使って相手を惑わせたエデルソンの勝ち」
最後に、川口はCLの魅力について次のように語った。
「異次元の大会だと思うんですよ。集中力や精神力は、本当に最高峰のプレーが常に見られる大会。いつも楽しく見られるものだなと思います」
11月24日21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、J2プレーオフ特集やUEFAチャンピオンズリーグ第5節レビューなどが放送される。岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く!」は、ジュビロ磐田名波浩篇~後編を放送。現役時代の岩政と名波監督の関係に迫る。
By サッカーキング編集部
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