鹿島アントラーズは2017シーズンのJ1において、第12節終了時点で7勝5敗の6位と低迷していた。そのため石井正忠前監督(現大宮アルディージャ監督)を解任し、大岩剛コーチが監督に昇進。その後のリーグ戦20試合(番組放送終了時点)で16勝1分3敗と復調した。番組レギュラー解説委員を務める岩政大樹(東京ユナイテッドFC)が、自身の古巣でもある鹿島のクラブハウスを訪問し、復調の要因を探った。
鹿島の得点数は、開幕からの12試合では14ゴールだったのが、大岩監督就任後の20試合で39ゴールと大幅に増加している。2007年から在籍する遠藤康は、監督交代後の変化についてこう語っている。
「全員がゴールに向かう推進力、スピード感が増えたのが大きな変化だと思います。(変わったのは)メンタルのところじゃないですかね。別に剛さんは『これをしろ』と言っているわけではないし、どっちかと言うと攻撃はうちらに自由を与えてもらっているので。あと剛さんになってからレアンドロとか出る選手がちょっと変わった部分も多少あるのかなと思います」
アカデミー出身の土居聖真も、監督交代を機に自由にやれる部分が増えたと語る。
「戦い方としては大きく変わってないですけど、もっとアグレッシブにというか、躊躇せずに、自分が思っているとおりにやれと言われるので。僕が迷っていた時にもアドバイスをくれて、攻撃は自分が思ったとおりにやればいいと言ってくれるので、そこはすごく嬉しかったというか、これで間違ってないんだと感じたんで。他の選手もたぶんそう言われているんだなと感じるんで、そこのやりやすさはあるんじゃないのかなと思います」
そしてシーズンを通じての精神状態について、土居はこのように語っている。
「特に重くは感じていないですけど、試合が近くなるにつれて、選手たちの発言や気持ちはジワジワ感じるかな。僕もあまりリラックスしすぎず、気負いすぎず、バランスのいい精神面、コンディションで臨めればいいと思っています」
当の大岩監督は、自分の立場の変化についてどう考え、チームに何をもたらそうとしたのだろうか。
「アシスタントコーチとして一緒にやっていたわけだし、その流れ、今いる選手も全く変わらないので、ベースは変えていないし、変えないでいこうと。ただ、僕が監督になった時っていうのは、チームが勝ったり負けたり不安点なところで今一つ選手自身が自信を持てずにゲームに臨んでいたと感じていたんで。アプローチの仕方は昔から口うるさく言っていたし、そのアプローチの仕方は変わってないですけど、選手が自信を持ってグラウンドに立つための準備はしようと思いました」
そして“鹿島の強さ”については次のように分析した。
「走り続けること、戦い続けること。次の試合に全力を尽くすことはずっと言ってきた。特別なことをしているわけじゃない。雰囲気もいつもの鹿島だし。監督に僕がなろうがなるまいが選手は同じスタンス、厳しい姿勢でやっている。それがウチの強みなんでね」
12月1日21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、J1最終節・J2プレーオフ特集や、セリエA第15節注目カードプレビューなどが放送される。
By サッカーキング編集部
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