番組副編集長の大杉亜依里が、東京都内で行われたアンプティサッカーの体験イベントに参加した。
アンプティサッカーは、ブラジルで右足を失った青年、エンヒッキ・松茂良・ジアスが2008年に来日したことがきっかけで日本でも始まった競技で、フィールドプレーヤー(FP)は下肢に障がいを持つ選手。クラッチ(医療用の杖)を使ってピッチを走る。GKは上肢に障がいを持つ選手が担当し、片腕でゴールを守る。
試合はFP6人とGK1人の計7人制。年齢・性別は問わず、試合時間は25分ハーフ。クラッチで意図的に、あるいは体を支えていない時にボールを触ったらハンドとなるなど、独自のルールがある。普及が始まって間もないが、日本アンプティサッカー協会加盟チームは全国に9チームある。
日本障がい者サッカー連盟の会長を務める元サッカー日本代表・北澤豪氏は、アンプティサッカーについて次のように語っている。
「我々がやって来たサッカーで考えると、軸足をすごく重要視してきた。キックする上では、蹴り足だけではなく軸足をしっかり踏み込んでという教えを受けてきた。(アンプティサッカーでは)どうやって蹴るの? というところが出てくる。彼らはクラッチをうまく軸足にしながら1本の足で蹴ってくる。30メートルのFK、シュート、パスでもかなり鋭いボールを蹴るので、相当努力をしないとそこまでの力を身につけることはできない。プレーを見る中で努力の足跡が見えてくる」
大杉にアンプティサッカーをレクチャーしたのは、AFC Bumble Bee千葉のFP前澤寛と、FP根本大吾。18歳の時にバイク事故で左足を失ったという根本は、アンプティサッカーを始めたことで自身の中に変化があったという。
「普通のサッカーからクラッチ2本に頼ることになっただけでも体の動きは全然違う。体幹が大事だったりというのをトレーニングしていく中で覚えていきました。それをやることによって、悪いほうの足にも影響が少なくなって、体調を崩すこともなくなってきました。体にとってプラスことばかりで、マイナスになったことはほとんどないですね」
レギュラー解説委員の岩政大樹(東京ユナイテッドFC)は映像を見た後、アンプティサッカーの印象について次のように語った。
「想像してみたんですけど、蹴るのは練習すればなんとかなる。ボールが動くことに対して、移動していかなければいけない。(そのためには)いろいろな筋肉を使い、ステップワークを踏まなければならないとなると、相当きついだろうな、と思いました」
12月8日(金)21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、2017シーズンのJ1、J2、J3を選手、監督とともに振り返る予定となっている。
By サッカーキング編集部
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