12月9日に行われたセリエA第16節、ユヴェントス対インテルの“イタリアダービー”について、番組レギュラー解説委員の岩政大樹(東京ユナイテッドFC)が解説。ユヴェントスの戦術について分析した。
この試合、ユヴェントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督はパウロ・ディバラをベンチスタートさせ、マリオ・マンジュキッチを左サイドMF、1トップにゴンサロ・イグアインを配した「4-5-1」のフォーメーションでインテルを迎え撃った。指揮官が下したこの決断について、岩政は「ディバラのコンディション不安もあったと思うが、インテル対策も含まれていた」と分析している。
「スタートは4-5-1で入るんですが、マンジュキッチが自然に中央に入り、(クワドォー)アサモアが(左サイドバックから左ウイングバックのポジションに)上がって変則3バックのような形になります。マンジュキッチとイグアインが中央に入り、2人で高さを持たせる狙いがありました」
8分のユヴェントスの攻撃の場面では、中央に絞ったマンジュキッチが中盤で起点を作り、そこから右サイドのフアン・クアドラードに展開。クロスに対してマンジュキッチ、イグアインとインサイドハーフのブレーズ・マテュイディがゴール前に飛び込む形を作った。
また、DF4枚、中盤に5人のMFを配置したことについて、岩政は「(マウロ)イカルディ対策」と分析した。
「トップスコアラーで乗りに乗っているイカルディがセンターフォワードにいるので、彼をどう止めるかが今回のユヴェントスの一つのポイントでした。イカルディのゴールはサイドからのクロスに合わせる形が多いので、イカルディを抑えようというよりは、サイドを抑えようというのが今回の守備のポイントでした」
16分のシーンでは、マンジュキッチが左サイドに下がり、ペナルティエリア手前のゾーンに左右のウイングバックとインサイドハーフ2人、アンカーの選手が横一列に並び、相手のサイド攻撃を封じる形を取った。
「これによってクロスがほとんど上がらず、イカルディが中で勝負するシーンがほとんどなく、抑えることができました。インテルとしては攻めづらい形になりました」(岩政)
37分には、マテュイディとサミ・ケディラをインサイドハーフに配したことが功を奏する場面もあった。岩政が解説する。
「走れるインサイドハーフが2人でプレッシャーをかけて、ボールを奪えたらそのまま2人で攻め上がっていくのが狙いでした。2人でインテルの攻撃を封印した上で、さらに彼らが出て行く。これがハマった形になりました」
攻守両面で「対インテル」の緻密な戦術を練り上げ、それを機能させたユヴェントスだったが、両チームともにゴールは奪えず、試合はスコアレスドローに終わっている。
12月22日(金)21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、天皇杯準決勝のプレビューや全日本大学サッカー選手権大会特集が放送される予定。岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く!」は、鹿島アントラーズ昌子源篇~前編を放送する。
By サッカーキング編集部
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