12月9日に行われたセリエA第16節、ユヴェントス対インテルの“イタリアダービー”について、番組レギュラー解説委員の岩政大樹(東京ユナイテッドFC)が解説。インテルの守備戦術について分析した。
第15節終了時点で首位に立ったインテルについて、岩政は「しぶとく勝っている」印象を受けているようで、「ゴール前での判断がすごく正確で間違えることがないので、失点が少ないですね」と分析している。
例えば68分の場面では、ユヴェントスは左サイドへの大きな展開からクワドォー・アサモアがクロスを上げ、中央でマリオ・マンジュキッチが飛び込んだが、ミランダとサミル・ハンダノヴィッチがうまく対応し、シュートを未然に防いでいる。
「大きく展開された後、ギャップにボールを入れられると対応が難しいんですが、GK(ハンダノヴィッチ)が出てきて、ミランダとともに相手(マンジュキッチ)をうまくブロックし、相手が触らないように対応しています」
直後にはハンダノヴィッチが弾き返したボールをサミ・ケディラにボレーシュートで狙われたが、シュートはゴールマウスを外れる。岩政はこのシーンでも、インテルの守備に着目した。
「(ケディラの)シュートに対してGKが飛び出した後、DF2人が同じコースに立つのではなく、ゴールを2人で守れるコースに立っています。そして(シュートが)コースを外れたから見送っています。最後まで判断を迷わず、間違えずに対応しているところが見えました」
今シーズンのインテルは16試合を終えた時点でわずか10失点という堅守を誇っており、それが首位に立つ原動力となっている。センターバックとして鹿島アントラーズを支えた岩政は、インテルの堅守ぶりを高く評価しているようだ。
「ギリギリの瞬間まで判断できるところがインテルの強さに繋がっています。シーズン当初からの結果が(守備陣に)落ち着きをもたらし、選手たちは『ゴール前では守れるんだ』という自信を持っています」
ユヴェントスが攻撃戦術を機能させる反面、インテルも堅守を発揮したこの試合はスコアレスドローでフィニッシュ。岩政は双方が持ち味を見せた“イタリアダービー”を次のように総括した。
「ユヴェントスが狙いどおりの試合運びができて、インテルも最後のところをしっかり締めて、スコアレスで終えることができました。両チームとも無得点でしたが、タスクを完遂した試合でした」
12月22日(金)21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、天皇杯準決勝のプレビューや全日本大学サッカー選手権大会特集が放送される予定。岩政大樹(東京ユナイテッドFC)がプロデュースするインタビューコーナー「今まさに聞く!」は、鹿島アントラーズ昌子源篇~前編を放送する。
By サッカーキング編集部
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