昨季限りで現役を引退した元日本代表の加地亮氏が、宮崎県綾町で行われていた川崎フロンターレのキャンプを取材した。
ガンバ大阪時代のチームメートである阿部浩之や家長昭博から「加地や、加地」と言われ、「いや何で? 『加地や』はおかしいやろ! 大先輩!」と返すなど、和やかな雰囲気で取材に臨んだ加地氏。阿部に対して「ケガだけは気をつけんと」と気遣いを見せたところ「加地大先輩を引き継いで、1年に1回ぐらいはケガしようと思います」と回答され、思わず絶句してしまったが、新加入の齊藤学、大久保嘉人、赤﨑秀平らとのポジション争いについて問うと、阿部は「負けへんで!」と力強くコメントした。
続いて加地氏が話を聞いたのは、川崎の大黒柱である中村憲剛。「何歳までやるの? 45歳、50歳? “キング・ケンゴ”?」と問いかけると、中村憲剛は「そんなにやらない(笑)。そんなにやれない」と言いつつ、別れ際には「加地さんは辞めたけど、俺はまだやる!」と宣言してその場を去って行った。
午前中のトレーニング終了後、加地氏は昨季のMVP&J1得点王、小林悠へのインタビューを実施した。
加地亮(以下、加地) 去年は個人のタイトル、チームのタイトル、もう総ナメでしたけど。どうですか去年1年を振り返って。
小林悠(以下、小林) そうですね、やっぱ優勝した時はすごくうれしかったですけど、今振り返ると、他にもタイトルを取るチャンスがあったので、すごくもったいなかったかなっていうのが今思えばあります。
加地 謙虚ですね。
小林 いやいやそんなことないですけど(笑)。
加地 今年はでも、さらに、まあワールドカップもありますし。2年連続の得点王を狙えるチャンスもありますし。
小林 そうですね、本当にいいメンバーがそろっているので、自分がしっかりチャンスを決められれば得点王というのも見えてくるのかなと思いますね。
加地 去年良かった原因っていうのは何かあります?
小林 僕、キャプテンやらせてもらったんですけど、みんな選手が自立していたというか、一喜一憂せず負けた時はすぐ次の試合に切り替えて、勝った時は浮かれる選手もいなかったですし、淡々と一喜一憂せずにやれたのがタイトルに繋がったのかなと思います。
加地 “いい人”がにじみ出てますよ。
小林 いえいえ全然、そんなことないです。
続いて登場したのは、FC東京から1年ぶりに復帰した大久保嘉人。加地氏とは日本代表やセレッソ大阪で共にプレーした旧知の間柄だけに、誰もが聞きたい“あの話題”にも深く切り込んだ。
加地 体調はどうですか?
大久保嘉人(以下、大久保) いい感じですよ、はい。
加地 良さそうやもんね。でも、そんなことより一番聞きたいことは、なぜ1年で(川崎に復帰したのか)。
大久保 それ聞く?(笑)
加地 すごく聞きたい。どういう心境があったの?
大久保 いや、うまくいかなかったんですあまり。チームで。難しかった。「変える」と言ってなかなかうまくいかず、歳も歳じゃないですか。時間もないし、その焦りもあって、やっぱりもう一回帰ってきたいなと。思いました。
加地 自分が良く分かっているサッカーに。
大久保 そうそうそう。これでダメだったら納得するしな、と思いながら。
加地 そういう心境ね。なるほど。今年はもう、去年得点王の小林選手もいる。
大久保 本当に今までの得点王は捨てて、がむしゃらに行きます。
加地 いつもがむしゃらなイメージがすっごいあるんやけど。
大久保 もっとがむしゃらにいきます。
加地 すっごいキレてるイメージがある。がむしゃらにキレているっていう。
大久保 あまりキレず、がむしゃらに。
加地 普段めっちゃいい人なのにね。試合になると何か、サッカー小僧になる。
大久保 そう。アホでしょ。
加地 でもまあ、体調も良さそうで。今年は(チーム内の)競争もあるからね。
大久保 すごく楽しみですよ。ACLもあるし、ワールドカップもあるし。狙います。
2月2日(金)21時から放送の『スカサカ!ライブ』では、Jリーグキャンプ情報やトライアウト特集、We are UCL fans~加地亮編~などを放送する予定となっている。
By サッカーキング編集部
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