地元・鎌倉にJリーグを目指すサッカークラブが誕生した。神川明彦は高鳴る鼓動を抑えることができなかった。
『鎌倉インターナショナルFC』(通称:鎌倉インテルFC)はJリーグを目指す社会人チームとして、2018年1月に設立。「鎌倉から、世界で通用する人材を、サッカーを通じて育成し輩出する」という確固たるビジョンを掲げて、鎌倉市を拠点に活動を開始した。神川氏は迷わず、そのクラブ代表に自ら連絡を取って、「ぜひ自分にも手伝わせてほしい」と伝えると、クラブから歓迎され、相思相愛のもと、アドバイザーに就任した。鎌倉インテルFCは創立1年目に、神奈川県社会人3部から社会人2部へ昇格を決めて、順調にJリーグへの階段を上り始めた。
地元・鎌倉でサッカー選手として成長し、その後、明治大学で選手、そして指導者として大成する
神川氏は、生まれも育ちも鎌倉という、根っからの“鎌倉っ子”。現在も家族とともに鎌倉に住んでいる。兄の影響からサッカーを始め、鎌倉高校のサッカー部に所属していた時は、インターハイでベスト16や、神奈川県選抜チームのメンバーとして国体で優勝を飾るなど輝かしい実績をあげた。その実績を引っ提げて、明治大学に進学し、そこでも活躍。卒業後は同校に残って指導者の道を歩み始める。
2005年から10年間、明治大学サッカー部監督を務めて、その間に長友佑都(ガラタサライ)、室屋成(FC東京)、山田大記(ジュビロ磐田)、丸山祐市(名古屋グランパス)、和泉竜司(鹿島アントラーズ)他、50名以上のJリーガーを輩出して、2015年にユニバーシアード日本代表監督を務めた時は、長谷川竜也(川崎フロンターレ)、呉屋大翔(柏レイソル)を指導。その後、グルージャ盛岡(現・いわてグルージャ盛岡)監督を経て、現在は明治大学付属明治高校・中学校サッカー部総監督として、高校生と中学生を指導している。大学1年の時にはスタンドで太鼓を叩いていた長友佑都を、中盤からサイドバックにコンバートして大成させた話は有名な話である。
地元・鎌倉で独自のサッカースクールを開校
そんな神川氏は昨年9月から、彼自身がアドバイザーを務める鎌倉インテルFC主催の小学5、6年生を対象にしたサッカークリニックを開講した。地元・鎌倉で、サッカーで関わるのは、高校を卒業してから初めてのことである。地元への恩返しの意味も含めて、長年思い描いていたサッカーの普及・育成を鎌倉で実現したいと考えている。次世代の子供たちに自分のサッカーの経験を伝達継承するきっかけにしたいと考えている。
そして今年の4月からは、サッカークリニックの参加者の子どもたちや、その保護者たちの声に押される形で、サッカースクールを開校する。このサッカースクールは、神川氏の熱い想いが詰まったサッカースクールになる。例えば、スクール生は定員20名の少数精鋭のスクールになる。また、このスクールでは一人できるような練習を排除して、グループ単位で学ぶメニューを課す。または、なるべく自身の利き足の技術を磨くように指導する。どれも個性的な内容である。
神川氏は、学ぶ吸収力が優れている小学5、6年生に、2種や3種の選手に指導するような「論理的考動力」、つまり「練習」と「分析・評価」の循環を各スクール生が繰り返すように指導をしていく。また、選手間の競争から生まれる向上心を促しながら、サッカーの本質である、サッカーの楽しさをスクール生と共に追求していくのが目標だ。
鎌倉インテルFCは、日本代表選手であり、世界へ飛び立った長友のような子どもたちを鎌倉から輩出し、地元や日本、ひいては世界にインパクトを与えるような人材の育成をビジョンの一つとして掲げている。神川氏がその火付け役となり、クラブとしても徐々に盛り上がりの輪が広がってきている。
「鎌倉インテルFC ジュニアスーパーサッカースクール」は、2020年4月に開校予定。会場は、JR大船駅から徒歩4分の「フィルーラフットサルベース大船」。
【鎌倉インテルFCジュニアスーパーサッカースクール】
https://kamakura-inter.com/2020/01/07/2020school/
By サッカーキング編集部
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