湘南ベルマーレフットサルクラブは、神奈川県小田原市で活動するFリーグ ディヴィジョン1に参戦するフットサルクラブ。昨シーズンは過去最高のリーグ2位の結果を残しており、今シーズンは悲願の優勝に向けてシーズンを戦っている。
チームの代表取締役社長を務める佐藤伸也氏に、11月に発行したフィナンシェでのトークンを通じて社会課題解決プロジェクトにクラブが取り組む事となった経緯や発行目的について話を聞いた。
記事提供=FiNANCiE
湘南ベルマーレフットサルクラブの初回ファンディング購入はこちらから
―――まずはクラブの紹介と、佐藤さんのお仕事について教えてください。
湘南ベルマーレというクラブは、Jリーグに参画しているサッカーをはじめ、フットサル、ビーチバレー、トライアスロン、サイクルロードレース、7人制ラグビーと多種多様な競技を保有している総合型地域スポーツクラブです。
日本フットサルリーグ(Fリーグ)に参画している湘南ベルマーレフットサルクラブは、小田原アリーナをホームアリーナとして、小田原市を中心とした神奈川県の県西地域、3つの市と8つの町を中心に活動しています。僕は2007年のFリーグ開幕当初から、フロントスタッフとしてチームで働いています。これまではGMという立場で長く仕事をしてきましたが、今年4月からは代表取締役社長に就任しました。そこまで大きなクラブではないので、ボールを蹴ること以外は全部やる、といった感じですね。
―――クラブとして3つの事業戦略(競技性、事業性、社会性)を掲げていらっしゃいます。その中でも、今回のトークン発行の目的が「クラブと一緒に社会課題解決を目指すメンバーの募集」であるように、社会性に注力している印象があります。それにはどういった理由があるのでしょうか?
いくつかあるのですが、ひとつ大きな理由をあげるとすれば、クラブに長く在籍し2020年にガンで亡くなった久光重貴選手の存在です。彼は闘病中、小児がんの子どもたちが前向きに治療と向き合えるように支援する活動を行なっていたんです。自分自身が大きな課題を抱えているなか、他者のために人を巻き込んで活動することはなかなかできることではありません。彼が亡き今、他者の課題に対してみんなが手を取り合って立ち向かっていく活動をクラブとして引き継いでいきたいと思いました。
それともう一つは、僕らが本当に地域に支えられて存在しているチームだということです。湘南ベルマーレフットサルクラブは、現在約90社のスポンサーさまと後援会の皆さんの支援によって成り立っています。
よくスポーツクラブが地域貢献という言葉を使いますが、15年クラブを運営してきてその解像度はまだまだ低いと思っています。一生懸命プレーをして見てくれた人に勇気や感動を与えることに加え、解像度高く地域貢献の取り組みを実現していくためにクラブのリソースをしっかり投入して、もっと分かりやすく取り組む姿勢を見せることが必要だと考えました。
―――具体的にこれまでどのような活動を実施してきましたか?
9月にはオフィシャルサプライヤーであるゴレアドールさん協力のもと、児童養護施設に新品のウェアを届けました。施設の方とお話するなかで、服が不足していることや古着だと衛生上の問題があると判明したことが背景にあります。施設に届ける過程の中では、スポンサーであるスーパーディーラーKATOさんにも協力していただきました。
10月には動物愛護を啓蒙する活動も実施しました。同じFリーグに所属するYSCC横浜フットサルとエキシビションマッチを行ない、エスコートキッズに犬の仮装をしてもらうなどして、保護犬や保護猫の譲渡会について周知することが目的です。
今年の4月に5つのプロジェクトを立ち上げて、現在進行中のものが8つ。来年の3月までに10個のプロジェクトを成立させることを目標に進めています。
―――そんな中、今回トークンを活用をしようと思った理由は?
社会課題解決のため、より多くの仲間を集めるためです。クラブの事業戦略として、今年度中に10個成立させたいです。それ以降は地域や企業、サポーターへの環境貢献の機会を提供するプロジェクトを中心に3年後には40個、5年後には160個成立させようと考えています。それだけ活動を広げることができれば、チームの価値を証明できますからね。
そのうえで人的なリソースが足りなくなることは間違いありません。また社会課題の中身についても、小田原地域だけでなく日本全国、世界と視野を広げていきたい。地域を中心としながらも、その外側の人をどれだけ巻き込めるかが重要なんです。そういった意味で、Web3の技術を活用するのは有効ですし、親和性を感じたのでトークンを活用することにしました。
トークンを保有する方は、社会課題解決に真剣な人たちが集まるコミュニティに参加し、スポーツと社会をつなぐプロジェクトに携わっていただきます。具体的に行っていくこととしては、今後クラブが取り組むプロジェクトを共に推進していただくメンバーの募集や、新規プロジェクトの提案やプロジェクト採択の議論に参加してもらいます。
―――すでにクラブの強みである「人を巻き込む力」が、さらに強固になりそうですね。
スポーツクラブがハブとなり、企業や行政などいくつかの登場人物を掛け合わせたモデルこそが社会課題解決の新しい形です。今回のトークン発行をきっかけに、世の中にこのモデルを広く発信することで、同じ形を別の地域でも実行していただけたらうれしいです。ぜひ注目していただきたいですし、スポーツ領域を飛び越えまったく別のジャンルの皆さんと交わっていくことも期待してます。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト