■名古屋グランパス 負傷者続出の影響は
川崎に完敗、広島には2-5の大敗を喫してしまった。スタイルが確立されている「完成度の高いチーム」に連敗したことで、発展途上の名古屋は現実を突きつけられた格好だ。加えて、先週の練習中に森勇人が、広島戦では小屋松知哉が全治6カ月の重傷。田鍋陵太や牟田雄祐といった主力選手も負傷中であり、チーム全体としても、暗雲が立ち込めていると言わざるを得ない。
さらには「浦和」という存在が、チームの危機感を何倍にも引き上げている。磯村亮太が「うまくプレッシャーを掛けられなかったことが全てだと思う。修正しないと、次(浦和戦)も同じ感じになってしまう」と危機感を露わにしたとおり、浦和は広島と似たスタイルを持つ完成度の高いチーム。広島戦では主導権を握れず、奪った得点も相手GKのミスとPKから。守っても、サイドで数的優位を作ってくる相手に対し、チーム全体で守備意識を統一できなかった。ある種のリベンジマッチで、チームの修正能力が試されることとなる。
とはいえ、今季の名古屋はタフなチームである。広島戦まではすべて1点差ゲームだった。自分たちのスタイルを打ち出せずに大敗したショックは大きく、危機感であふれるが、広島戦の失点シーンはミス絡みのものばかり。「自滅」でもあるだけに、修正の余地は多分にあるはずだ。危機感を力に変えるだけのリバウンドメンタリティーに期待したい。(totoONE編集部)
■名古屋予想スタメン
4-4-2
GK
1 楢崎正剛
DF
6 刀根亮輔
2 大武峻
4 田中マルクス闘莉王
15 本多勇喜
MF
38 枝村匠馬
13 磯村亮太
8 ダニルソン
10 小川佳純
FW
16 ケネディ
11 玉田圭司
■浦和レッズ 前線の新ユニットに期待が高まる
前節、浦和は仙台に4−0と大勝して公式戦2連勝を飾ったが、調子を上げてきているチームで一際輝きを放っているのが李忠成だ。ホームゲーム初スタメンとなったナビスコ杯の大宮戦で移籍後初得点を決めると、続く仙台とのリーグ戦で2ゴール。仙台戦では槙野智章が「欲を言えばもっと取ってほしかった」とハードルの高い注文をつけるほど、李は数多くの決定機に絡んで存在感を示した。
開幕当初は今ひとつフィットしていなかったが、ここにきてプレーの切れ味が増している。李本人も「体もキレてきた。まだまたいける」と自信をのぞかせる。その上り調子の李を1トップに置き、興梠慎三と原口元気が2シャドーを務める新トライアングルも大宮戦、仙台戦と連続して威力を発揮。この形では多くの時間を掛けて練習していないにもかかわらず機能しているだけに、伸びしろの大きさに期待が高まる。
名古屋戦で最も警戒しなければいけないのは、相手の高さを生かした攻撃。空中戦でケネディと互角以上に渡り合うのは難しいだろう。ただ、ケネディに自由に飛ばせないこと、競り合いに負けてもセカンドボールの争奪戦で優位に立つことができれば、ピンチを招く回数は減らせるはずだ。
このところ光るプレーを見せていた永田充が、仙台戦でふくらはぎの軽い肉離れを起こして離脱しているのは残念だが、ライバルの奮闘に刺激を受けた那須大亮の活躍に期待したい。(神谷正明)
■浦和予想スタメン
3-4-2-1
GK
21 西川周作
DF
46 森脇良太
4 那須大亮
5 槙野智章
MF
14 平川忠亮
8 柏木陽介
22 阿部勇樹
3 宇賀神友弥
30 興梠慎三
9 原口元気
FW
20 李忠成