【J1第22節予想スタメン 名古屋vs川崎】4位につける川崎、ダービー敗戦のショックを払拭できるか…名古屋はレアンドロ・ドミンゲスの負傷が懸念材料

■名古屋グランパス　タフに戦える2列目が強み、カウンターから活路を見出だす

　引き分けに終わった前節の柏戦だが、内容は明らかに向上している。中でも、4-2-3-1のサイドハーフに入った永井謙佑と川又堅碁が攻守でハードワークを実行。不慣れなポジションながら、6バック気味に相手のサイド攻撃をケアしつつ、カウンターから何度もチャンスに絡んだ。追加点の不足がチーム最大の課題だが、3試合連続でリードを奪い、ピンチもほぼ迎えていない。勝利をつかむだけの戦いはできている。

　懸念材料は、レアンドロ・ドミンゲスの離脱。大ごとには至らなかったようだが、古傷の右ひざを負傷し、今節の出場は不透明な状態。欠場となればオフェンス面での戦力ダウンは否めない。さらに川崎といえば、攻撃に特徴を持つチーム。特にポゼッションサッカーの優位性は、ボールを支配される、疲労が蓄積する、失点のリスクが高まる、といった具体に表れる。前回対戦ではそんな展開から完敗を喫しており、攻守で不安がつきまとう。

　その一方で、カウンターは非常に有効だろう。名古屋の攻撃パターンはカウンターが大半を占めるが、その意味では好都合だ。永井と川又を中盤で起用する最大の狙いも、まさにここにある。たとえ押し込まれても前に出て絡んでいけるスピードとアグレッシブさを持ち、激しくアップダウンできる彼らが、鋭いカウンターを成立させている。GK楢崎正剛、田中マルクス闘莉王ら、守備の重鎮も絶好調。タフな守備で無失点を続け、カウンターから点を奪う。今の強みをぶつけたい。（totoONE編集部）

■名古屋予想スタメン
4-2-3-1
GK
楢崎正剛
DF
矢野貴章
牟田雄祐
田中マルクス闘莉王
本多勇喜
MF
田口泰士
ダニルソン
川又堅碁
玉田圭司
永井謙佑
FW
ケネディ

■川崎フロンターレ　リーグ戦4試合連続で先制点を献上、試合運びが勝敗を左右する

　前節の“神奈川ダービー”は敗戦。この痛い取りこぼしにより、順位は4位に後退した。ただし得るものもあった敗戦だったとも言える。前半に退場者が出ていながら、後半は11人の状態と遜色ない戦いができた。中村憲剛は「サポートに走ることであったり、判断のスピードをより速くすれば、10人でもやれるとわかったはず。追い込まれた状況で開くものもある。次は11人だから、この意識でやらないといけない」と話す。10人の戦いでつかんだ自信を生かすことができるか。

　名古屋戦に向けては、登里享平の出場停止に伴い、若干の入れ替えが行われる。左サイドの登里の位置には小宮山尊信を配置し、3バックの一角に井川祐輔が復帰する見込みだ。「このサッカーは後ろがバタバタしてしまうと、落ち着かなくなってしまう。声を掛け合いながら、メリハリをつけていきたい」と井川。落ち着きという意味では、リーグ戦で直近4試合連続で先制点を許していることは、チームとして軽視できない問題点である。「先に失点すると、やはり試合が簡単ではなくなってしまう」とGK杉山力裕も危機感を強めている。高さのあるケネディ、スピードのある永井謙佑を筆頭に、多彩な個性を誇る攻撃陣相手に、守備陣が冷静な対応をできるかがポイントになりそうだ。

「連敗はできない」と中村が口にしたように、ここで勝ち星を落とすと先頭集団から脱落する可能性もある。優勝戦線に残るためにも勝利が求められる。（いしかわごう）

■川崎予想スタメン
3-4-3
GK
杉山力裕
DF
實藤友紀
谷口彰悟
井川祐輔
MF
森谷賢太郎
大島僚太
中村憲剛
小宮山尊信
FW
小林悠
大久保嘉人
レナト