■鹿島アントラーズ 主力3選手が出場停止も代役の実績は十分
前節、清水に快勝した鹿島は4連勝でさらに勢いを増した。2007年から勝っていない相手のホームで先制点を奪われる苦しい展開に加え、審判の判定にも悩まされた難しい試合で逆転勝ち。順位も3位に上げ、首位に勝ち点2差まで忍び寄った。いよいよ射程圏内に捉えたと言っていいだろう。
ただし、その代償は大きかった。チームのキャプテンである小笠原満男が累積警告が4枚に達したため今節は出場停止。それだけでなくCBの一角である植田直通、途中出場で前線に起点を作る役目を担ってきた遠藤康も相次いでカードを受け、FC東京戦は出場停止となってしまった。3選手が不在という緊急事態で、鹿島と同じく中断明けから無敗のFC東京を迎え撃たなければならず、チームの地力が問われる。
とはいえ、小笠原と植田の穴を埋める選手も実績は十分だ。ボランチの控えには、ルイス・アルベルトと梅鉢貴秀の2人、そしてCBには山村和也と青木剛、中田浩二という顔ぶれが揃う。今季初出場という選手はおらず、誰を起用したとしてもぶっつけ本番でないことは不安を軽減させてくれる重要な要素だ。
今季、FC東京にはナビスコ杯のグループリーグとリーグ戦で対戦し、1分1敗と2試合未勝利。ただ、中断明けの初戦だった第15節の対戦では互角の戦いを繰り広げた。注目はなんといっても日本代表に選出された柴崎岳。小笠原がいないチームをどうまとめてタクトを振るうか。彼にかかる期待は大きい。(田中滋)
■鹿島予想スタメン
4-2-3-1
GK
曽ヶ端準
DF
西大伍
山村和也
昌子源
山本脩斗
MF
柴崎岳
ルイス・アルベルト
カイオ
赤崎秀平
中村充孝
FW
ダヴィ
■FC東京 アタッカー陣の出来は上々、課題は守備面か
第21節の首位浦和との対戦は、戦前の予想に反して打ち合う展開となった。一時は3-1とリード、また武藤嘉紀が2得点を挙げて勝ち越しにも成功したが、終盤に追いつかれてドロー。だが、2失点はPKによるもので守備の組織を崩されたわけではなく、選手たちは「個人のレベルで修正できるもの」とネガティブには捉えていない。
しかし、浦和戦で平山相太が骨折し、長期離脱を余儀なくされることに。マッシモ・フィッカデンティ監督は「チームにとって重要な時期に、大事な選手の離脱はとても残念。不在の穴は全員の力でカバーしていかなければ」と話す。
ただし、アグレッシブな守備から切り替えの早いカウンターや、サイド攻撃は着実に精度を増している。堅守を誇る浦和に対して発揮した攻撃力をプラス材料とし、好調の鹿島に挑む。
リーグ8戦無敗の4連勝中と絶好調の鹿島に対して、FC東京も9試合負けなし。がっぷりと渡り合う好試合を期待したいところだ。特にリーグトップの得点力を誇る鹿島に対して、いかに失点を抑えられるかが勝利のカギになる。
また、森重真人は「東京はここぞという試合を落としてしまうことが多かったが、今は簡単には負けないようになってきている」と前進の手応えも。過去には試合巧者の鹿島、特にアウェー戦を苦手としてきたFC東京だが、堅守をベースに、“勝負弱さ”を脱却する意味でもターニングポイントとしたい一戦だ。(totoONE編集部)
■FC東京予想スタメン
4-3-1-2
GK
権田修一
DF
徳永悠平
吉本一謙
森重真人
太田宏介
MF
羽生直剛
高橋秀人
米本拓司
河野広貴
FW
エドゥー
武藤嘉紀