9日のベネズエラ戦で日本代表初ゴールを挙げた柴崎 [写真]=兼子愼一郎
■大宮アルディージャ 天皇杯では若手が活躍、チーム一丸で残留を目指す
リーグ戦での不振を受けて大熊清監督が解任、コーチを務めていた渋谷洋樹氏が新監督に就任した。「大熊さんが解任となったが、選手も責任を感じている。とにかく残り試合を戦い残留しないといけない」(橋本晃司)とチームはJ1残留に向けて再スタートを切る。
新監督の初戦となった天皇杯、ホームで行われた愛媛戦は、ここ最近続いている先制点を取られて追いかける展開となったが、なんとか逆転勝ち。「練習序盤のパス練習から緊張感がある。雰囲気が変わった」(和田拓也)と、新体制になったことにより、選手たちは良い変化を肌身で感じている。「みんなにチャンスがある」(橋本)と、リーグ戦の先発メンバーがまだ見えてこない点は、チーム内競争を生むという意味で効果が現れている。天皇杯では先発に左SB高瀬優孝、途中からではあるがCB藤井悠太、左SHに泉澤仁と若い選手が起用され、実戦で活躍して勝利を手にした。若い選手も含め、勝つために何が必要なのかを再確認できたはずだ。そして「(残留に向けて)やらなくてはいけない」(泉澤)と責任感も生まれている。
今節の対戦相手は鹿島。「リスペクトしながら自分たちの色を出したい。まず負けないこと」(橋本)と自分たちのやりたいことを出しながら、新しいチームがどう戦うのかに注目だ。近年、僅差の勝ち点や得失点差で降格、昇格が決まる場面も少なくないJリーグ。橋本の言うように「まず負けないこと」は、何より勝ち点が必要な今の大宮にとって一番重要なことだろう。(上野直彦)
■大宮予想スタメン
4-4-2
GK
北野貴之
DF
今井智基
高橋祥平
横山知伸
中村北斗
MF
渡邉大剛
和田拓也
金澤慎
家長昭博
FW
ドラガン・ムルジャ
ズラタン
■鹿島アントラーズ 小笠原らが復帰、好調を維持するダヴィにも注目
前節はFC東京に引き分けたものの、8月を4勝1分、目下9戦無敗と勢いを継続することができた。浦和追撃の手を弛めないためにも、今節は非常に重要な一戦となる。前節は出場停止だった小笠原満男が先発に戻り、再び柴崎岳とコンビを組むことになるだろう。その柴崎は日本代表デビュー戦で初ゴールを決めるなど、舞台が変わっても力を発揮することができた。水、木と別メニューでの調整が続いたが、今季のキーワードは“継続”。22歳にして小笠原とともにチームを引っ張ることが求められているだけに、リーグ戦全試合先発を継続するだけでなく、良いパフォーマンスを出し続けることにも期待したい。
攻撃陣の調子は良く、ダヴィは5試合で4得点と絶好調。チームが作るチャンスをフィニッシュに結びつけられるようになってきた。2週間ぶりの試合ということもあってチームの休養は十分。全員が献身的に走るサッカーが見られるだろう。
とはいえ、試合勘のなさは懸念材料の一つ。相手は天皇杯を挟んで中二日とフィジカル面に不安を残すものの、少なくとも試合勘はある。そこで遅れを取らず、試合開始からうまく入ることが試合のペースを握ることにつながるはずだ。熊谷での大宮戦は2007年8月以来。7年前の一戦は、後半終了間際に内田篤人のクロスを増田誓志が押し込み、劇的な逆転勝ちを収めた試合だった。
U-21日本代表に植田直通、U-19日本代表に杉本太郎が招集されており、前節退場した青木剛は出場停止。山村和也にとっては前節のミスを取り返す絶好の機会となる。(田中滋)
■鹿島予想スタメン
4-2-3-1
GK
曽ヶ端準
DF
西大伍
山村和也
昌子源
山本脩斗
MF
柴崎岳
小笠原満男
遠藤康
土居聖真
カイオ
FW
ダヴィ