■サンフレッチェ広島 課題は攻撃力、石原の先発復帰が有力
良い守備は継続できている。第19節鳥栖戦以降のリーグ戦5試合で2失点、3試合で完封。しかも守備の内容そのものが、攻撃的になっているのも頼もしい。以前のようなリアクションではなく、自分たちからアクションを起こし、主体性を持ってボールを奪えているのは、一つの進歩だろう。
だが一方で、攻撃には大きな課題が残っている。G大阪戦でも、良い守備からボールを前に運び、相手を押し込むことができた。だが、そこで相手に中央を固められてしまうと、突破することが難しくシュートまで至らない。サイドに振ってもサポートが少ないため、ワイドのプレーヤーは常に1対2の状況を作られて追い込まれる。突破してクロスを入れても、精度に問題を抱えている。J屈指とも言えるクロス本数を広島は記録しているが、それはサイドからの攻撃に広島を追い込み、クロスを入れられてもはじき返す自信が相手にあると言ってもいい。
ただ、身体能力の高さと球際の強さを武器とする石原直樹の負傷が癒え、今節から先発に復帰することが有力。前節にはナビスコ杯の浦和戦で足を負傷した柏好文も復活を果たしており、突破力のある2人がチームに戻ってくることで広島の攻撃にアクセントが加わることは間違いない。
新旧交代期で戦力も入れ替わっている中、今までのようなコンビネーションを発揮することは困難だが、過酷な7連戦を何とか乗りきり、短いながらもオフを取れた選手たちが見せた今週の練習は充実。チームとして戦える状態は、少しずつ整ってきた。(totoONE編集部)
■広島予想スタメン
3-4-2-1
GK
林卓人
DF
塩谷司
千葉和彦
水本裕貴
MF
ミキッチ
青山敏弘
森崎和幸
柏好文
石原直樹
高萩洋次郎
FW
皆川佑介
■アルビレックス新潟 前節4試合ぶりの白星、攻撃陣のコマ不足が懸念
前節、豪雨の中で行われた仙台戦をものにし、公式戦4試合ぶりの勝利。復調のきっかけをつかんだようだ。
何より一人一人が球際で簡単には競り負けないという、新潟の原点を取り戻したことが大きい。ピッチに水が浮く難しい状況ながら、ゲームをコントロールできた技術とパワフルなプレーぶりには、自信を持っていいはずだ。
だが、難敵との対戦から始まる3連戦は簡単ではないだろう。リーグ2連覇中の広島には2年前にアウェイで勝利して以来、4試合未勝利と分が悪い。
攻守で変形する緻密でシステマティックな広島のサッカーに対し、マークの意識をいつも以上に強く持つことで善戦しながらも、要所でカウンターから失点するパターンが続いている。それだけに局面での駆け引きが大きく戦況を左右することが予想されるなか、チームでも屈指の『サッカーIQ』の持ち主、成岡翔が仙台戦で負傷したのは痛い。
また、人に付いていく守備をする上で、運動量豊富な田中亜土夢が出場停止となる影響も小さくなさそうだ。それぞれ経験豊富な田中達也、ダイナミックかつ足下のボール扱いに長けた岡本英也が代役以上の働きをすることが期待されるが、攻撃陣の“コマ不足”は懸念材料と言える。
その意味で、夏に加入しながら筋肉系のトラブルで別メニューが続いていたFWラファエルが全体練習に復帰したのは好材料。遠征メンバーに入れば、スピードとシュートのうまさを備えた助っ人の新潟デビューも十分に期待できる。(totoONE編集部)
■新潟予想スタメン
4-4-2
GK
守田達弥
DF
松原健
舞行龍ジェームズ
ソン・ジュフン
大野和成
MF
山本康裕
小泉慶
小林裕紀
岡本英也
FW
指宿洋史
田中達也