激しく競り合う川崎の 安柄俊(左)とFC東京の森重真人(右)[写真]=兼子 愼一郎
J1第24節が20日に行われ、川崎フロンターレとFC東京が対戦した。
前回対戦は川崎が4-0で完勝した“多摩川クラシコ”。川崎は現在勝ち点差4で2位につけており、これ以上離されるわけにはいかない。しかし、大久保嘉人に加えジェシが出場停止、さらにアジア大会出場中の大島僚太を欠く中での総力戦となる。一方、雪辱に燃えるFC東京は、3試合連続で引き分けており、この試合での流れを変えたいところ。練習中のけがが心配された武藤嘉紀は先発に名を連ねた。
試合は11分、ペナルティエリア外の浅い位置から武藤が積極的にミドルシュートを放つが、ゴール左に逸れる。川崎は17分、ゴール正面やや右からのFKを獲得。中村憲剛のクロスを小林悠がヘディングで流したところを、さらに遠い位置の田中裕介がヘディングで合わせたが、権田修一にキャッチされる。1分後、右サイドの小林からパスを受けたレナトがミドルシュートを放つが、相手GKに阻まれる。
21分、高橋秀人が放ったロングシュートはゴール右に外れる。25分にも、左サイドをドリブルで持ち上がったエドゥーが自らミドルシュートを打つが、枠を捉えることができない。30分、谷口彰悟がペナルティエリア外右の小林にパス。小林がゴール前にグラウンダーのパスを入れ、田中が走り込んだが得点には至らず。
32分、ゴール正面のいい位置でFC東京がFKを獲得する。太田宏介が直接狙ったが、壁に当たってしまう。37分、ロングパスを受けた武藤がペナルティエリア内まで持ち込むと、切り返しからゴールを狙ったが、相手DFに防がれる。直後には羽生直剛がペナルティエリア左からクロスを供給。エドゥーがヘディングで合わせたが、ネットを揺らすことはできない。
川崎は43分、安柄俊からのスルーパスを受けたレナトが、ペナルティエリア左からドリブルで切り込み、そのままシュートを放ったが、権田の好セーブに阻まれる。両者譲らない展開の中、スコアレスで前半を折り返す。
互いに交代なく後半を迎えると、50分に武藤がドリブルで抜け出しカウンター攻撃を仕掛ける。ペナルティ手前まで持ち込んだ武藤がゴールを狙ったが西部洋平がセーブ。跳ね返ったボールに反応したエドゥーがペナルティエリア右から再度シュートを放ったが、枠を捉えることはできない。
一方の川崎は57分、山越享太郎に代えて登里享平を投入する。すると、谷口が相手の股を抜くパスで中村に繋ぐと、中村がワンタッチでゴール前の狭いスペースにパスを通す。安が権田との1対1の場面でシュートを放つが、得点を奪うことができない。直後、中村からのマイナスのクロスにレナトが合わせるも、これは枠を外れる。
71分、CKの流れからペナルティエリア手前でパスを受けたパウリーニョが切り返しから左足でミドルシュートを放ったが、権田のセーブに阻まれる。74分、FC東京は羽生を下げ、梶山陽平を投入する。
79分、ペナルティエリア手前やや左の位置から、中村がゴール前に通したグラウンダーのスルーパスに抜け出した小林がシュート。ゴール右に流し込んだが、オフサイド判定を受け得点には至らず。FC東京は、ペナルティエリア内で武藤が落としたボールに合わせたエドゥーのシュートは枠を逸れる。
アディショナルタイムは4分。1点を争う展開の中、FC東京がペナルティエリア手前のゴールに近い位置でFKを獲得する。絶好のチャンスでキッカーの太田が直接狙ったが、壁に当たってネットを揺らすことはできない。両者ともにゴールが遠く、多摩川クラシコは0-0の引き分けに終わった。