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崖っぷちの大宮とC大阪…クラブとして総合力が問われる残留争いの行方は

2014.11.22

 11月22日、J1は第32節までの日程を消化。残すは2試合となったところで、降格圏に沈むのは16位・大宮アルディージャ、17位・セレッソ大阪の2チームとなった。

 今節は食らい付いての引き分けだったC大阪は、勝ち点31。14位・ベガルタ仙台(勝ち点35)、15位・清水エスパルス(勝ち点35)と“1勝1分差”となる。得失点差のアドバンテージがあることからも、かろうじて可能性が残っているといった状態だ。大熊裕司新監督を迎えた効果は勝ち点という形では見えておらず、依然として厳しい。次節で難敵・鹿島アントラーズを破ったとしても、他クラブの結果次第では降格が決まってしまうという、崖っぷちに追い込まれた。

 一方、「落ちそうで落ちないクラブ」と言われてきた大宮の勝ち点は32。渋谷洋樹新監督を迎えて一時は持ち直していたものの、カンフル剤の効力も切れたのか、ここ5試合は1勝1分3敗と急失速しており、勢いはない。仙台清水とは“1勝差”となるのでC大阪よりは幾分大きな可能性は残ったが、かなり苦しい状況には違いない。ただ、名古屋グランパスとの次節に敗れれば、こちらも降格決定の可能性がある。C大阪より少しマシなだけで、やはり大宮も崖っぷちだ。

 毎年のように残留争いに巻き込まれながら、最終節前には残留を決めてきた過去の状況と比べれば、今年は格段に厳しい状況とも言える。次節・名古屋に勝つのはマストとして、さらに最終節でC大阪とのデスマッチを制する必要がある。その上で仙台清水の結果待ちという苦しさだ。

 残留争いを勝ち抜く秘訣は精神的な余力を持てるかどうか。この状況で選手個々に勝ちたい気持ちがないはずもないので、サポーターの雰囲気作りまで含めた、クラブとしての総合力が問われることになる。ここからの1週間のトレーニングで各チームが心理面をどうマネジメントするのか。大宮にしてもC大阪にしても、戦力的に大きく劣っているわけではない。それだけに何よりも心理面での立て直しが肝要だ。

 そうでなくては勝てないし、残れない。

文=川端暁彦

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