追悼試合に出場した中山氏(左から3番目) [写真]=Getty Images
18日、昨年10月に交通事故で急逝した元日本代表MF奥大介氏の追悼試合がヤマハスタジアムで開催。ジュビロ磐田や日本代表時代のチームメートによるJアミーゴスと、横浜F・マリノスや横浜FCでともにプレーしたメンバーによる横浜フレンズが対戦した。試合は、Jアミーゴスが名波浩氏や高原直泰などの得点により4-2で勝利した。
Jアミーゴスの一員として出場し、PKをクロスバーに当ててこぼれ球をオーバーヘッドするなど会場を沸かせた中山雅史氏は、「あいつの真似をできるやつはいないけど、サッカーを楽しむことはみんなできるので、精一杯やらせていただきました」と、試合を振り返った。
奥氏とは磐田でチームメートとしてプレー。「大介はサッカーが大好きで、サッカーを楽しむ男でしたので、来てくれた人が楽しんでくれて、やってるほうも楽しみながらハツラツとしたプレーをグラウンドで見せられれば、それが一番なんじゃないかなと思いました」と、試合に出場するにあたった思いを口にした。
現役時代の奥氏については、不思議な選手だったという。「素走りは得意じゃなくて、後ろの方でチンタラ走ってる選手でしたけども、試合になると終盤でも暑い中でも、自由な発想と抜群なテクニックで相手を切り裂いていくんですよね。それが不思議でならないですし、疲れ切ってるのがズルズルしたソックスに表れてるんですけど、それでも相手を切り裂く鋭いドリブルっていうのは僕の脳裏から離れないです」と当時を懐かしんだ。
1998年に記録し、ギネスにも認定されている中山氏のJリーグ4試合連続ハットトリックの最後の得点は、奥氏のアシストによるものだった。「達成できたのは大介がパスを出してくれたおかげです。大介はドフリーで、シュートを打ってもおかしくないシーンなんですよ。なぜパスをしたんだと聞くと、僕が鬼のような形相で呼んでいたからって後で聞いて、仲間思いの男だなと」というエピソードも明かした。
中山氏は、「大介だからこそ、これだけの人が集まってくれたんだと思います」と話した一方で、奥氏がいない試合の寂しさについても語った。
「常に一緒にプレーしてきて、いつも傍らにいてフォローに回ってくれている男だったので、やはり大介がいない中でのゲームっていうのは寂しい。まだちょっと大介がこういうことになったっていうことが信じられないです。素敵な時間なんですけども、こういうことになったから開催されたっていうのは、悔しくもありますね」
試合終盤には再び出場し、猛烈なプレスを掛けるなど熱いプレーを見せた中山氏は、「類まれな才能を持つ男でしたから、同じことはできませんけど、サッカーは楽しいものだというのを伝えていければいい。また、楽しさだけじゃないのも追求してた男ですから、代表にも入ってたし、世界の厳しさも知ってる男なので、そういう部分を若い世代の人たちに少しでも伝えていければと思いますね。僕もまだまだ未熟だと痛感しましたから、レベルアップできるように努めていきたい」と、今後の抱負を述べた。
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