2年連続でJ1得点王に輝く大久保嘉人 [写真]=Getty Images
文=元川悦子
今シーズンからメインスタンドが改装され、新たなムードを醸し出す等々力陸上競技場で25日夜に行われた川崎フロンターレ対ヴァンフォーレ甲府戦。首位争いを繰り広げる浦和レッズ、ガンバ大阪を追走する川崎は前半38分、相手の一瞬のスキを突いて先制点を奪う。キャプテン・中村憲剛のタテパスに反応した小林悠がペナルティエリア内でDFに倒されたのが発端だった。PKかと思った守備陣が動きを止める中、中村憲剛は集中を切らすことなく素早くこぼれ球を拾って左側に展開。ここでフリーになっていたのが、2013、2014年連続J1得点王に輝いた大久保嘉人。彼の右足シュートは左ポストを叩いてそのままネットを揺らしたのだ。
このゴールは大久保にとってJ1・139得点目、川崎移籍後50得点目となるメモリアル弾。尊敬する三浦知良(横浜FC)に通算ゴール数で並び、J1史上4位タイに躍り出た。が、この日のカズダンスはお預け。「並んだ時にはしないって決めてた。やるのは超えた時。家の鏡の前で練習してます。家族にも見られるのは恥ずかしいから、接戦のゴールとかが一番やりやすいね」と、本人は次のゴール後にこっそり練習しているダンスを披露することを公の場で約束した。
大久保の一撃によって守備組織が崩れた甲府は防戦一方に。後半にはレナトが2点を追加して、川崎は3-0で快勝する。この日の勝利は川崎のJ1通算100勝目という記念すべきもの。その大舞台で攻撃陣の火をつける一発を叩き込めるのは、やはり大物だ。
「70試合くらい(実際には72試合)で50点取ってるからね。ホントにすごいし、それまで何してたんだって感じかな(笑)。嘉人は横と後ろは基本、考えない男だから、それがいいよね。相手にしてみれば突っ込んでくるやつが一番怖いから。たまにちょっと待てって時はありますけど、だいたい行っちゃう。行く先がなくなったら俺によこせと。それでまた動き直してボールをあげたら行っちゃうから、ホントに好きにやってくれって感じです」
50得点の大半をお膳立てしてきた先輩・中村憲剛も軽口を叩くほど、彼らはお互いのホットラインの完成度に手ごたえを感じているのだろう。
確かに、中村憲を筆頭に傑出したパッサーがいて、リズミカルなパスサッカーの確立されているこのチームに来なければ、背番号13が凄まじい勢いでのゴール量産することはなかった。大久保本人もチームメートへの心強さを口にする。
「憲剛さんや僚太(大島)は気を使える選手だし、サッカーをやっぱり知ってるから、こっちとしては助かりますね。俺、最初から川崎にいたらどうなってたんだろうね」
2001年に高校サッカーの強豪・国見高校からセレッソ大阪入りし、マジョルカ→ヴィッセル神戸→ヴォルフスブルク→神戸→川崎と渡り歩いてきたが、川崎に来る前の大久保は万能性が高すぎるゆえに、多くの役割を託されて混乱していた部分が少なからずあった。実際、神戸時代は左サイドで守備に忙殺され、2010南アフリカワールドカップでもディフェンシブアタッカーとしてボールを追いかけるばかりだった。
中村憲も「(嘉人は走れる?)国見ですからね。そこらへんはトシ関係ないんじゃないですかね。自分がボールを奪われたら必ず奪いに行くしね。そういうところはホントに若手、ベテラン問わず、絶対に学ばなきゃいけないところ」とその献身性を高く評価しながら、「他のチームではウチでやってること以外のことをやりすぎて(点を取る)力が出なかったかな」とこれまでの苦労を慮っていた。
紆余曲折を経て、自らを生かしてくれる最高の環境で思う存分、ゴールに集中できている大久保。だからこそ、彼が目指すべきところはカズ超えにとどまらない。中山雅史(現解説者)の持つ157得点を突破し、200の大台に乗せることも夢ではなさそうだ。
「サッカー人生まだまだ長いですから、行けるところまで行きたいですね。カズさんは48歳だけど、自分も40までは現役でやりたい。得点王争いも宇佐美(貴史=G大阪)や武藤(嘉紀=FC東京)が好調なのは刺激になってるけど、最後にてっぺんにおればいいんで。最初はどんどん行っても、結局は最後のプレッシャーに勝てるかどうか。そしてやっぱりチームのタイトルを取りたいね」
本人も指摘する通り、大久保はこれまでのJリーグキャリアの中で優勝経験が一度もない。彼自身、そして川崎にとっても悲願であるタイトル獲得を達成するためにも、まずはカズ越えの一発を決め、次への飛躍のきっかけをつかむことしかない。
Xデーは最速で29日の柏レイソル戦。ホームの大観衆は彼が温めているカズダンスを見ることができるのか。これは見逃せないゲームになりそうだ。
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