■FC東京 今季7試合で無失点、堅守を保てるかが最大のカギ
J1・1st第7節、第8節ともに、山形、新潟にボールを保持され、押し込まれる時間が長かった。だが、緊迫した展開の中でも集中力を切らさずに耐え抜き、2試合連続1-0での勝利をつかんだ。これにより、ここまで7試合を無失点とし、選手たちも「1点を取ることができれば勝ちきれる」という自信を深めている。
米本拓司は「対戦相手に『先制を許せば、もうFC東京には勝てない』と思わせられるチームになっていきたい」と話す。太田宏介も「攻撃力が注目されるチームは多いが、守備力がクローズアップされるチームはあまりないはず」と続け、“相手から嫌がられるチーム”として独自のスタイルで上位争いを続けている。
ただし、ここ2試合の得点はセットプレーからのみ。カウンターを意識するあまり、パスをつないで自分たちの時間を作ることができず、攻撃パターンの乏しさは否めない。連戦の疲労と暑さも加わり、運動量が落ちていることも気掛かりだ。
第25回多摩川クラシコとして迎える今節は、リーグ最多得点の川崎に対して、最少失点のFC東京として注目を集める。ただし例年、何が起こるかわからない“クラシコ”でもある。オープンな展開になれば、FC東京もこれまでより多くのチャンスを作れるかもしれない。そこでリスクマネージメントを怠らず、堅守を保てるかがカギになる。
なにより、今節の結果により順位が入れ替わるだけに、両者の勝利に対するこだわりと意地がぶつかり合う熱戦に期待したい。(totoONE編集部)
■FC東京予想スタメン
4-3-1-2
GK
権田修一
DF
徳永悠平
吉本一謙
森重真人
太田宏介
MF
三田啓貴
梶山陽平
米本拓司
河野広貴
FW
東慶悟
武藤嘉紀
■川崎フロンターレ 大久保も太鼓判を押す船山に注目
この一戦に向けて、中村憲剛はこう口にする。
「メンタルとコンディションが大事になる。ここで多摩川クラシコが来るのは大きい。否応なしにやるしかない」
前節の得点はセットプレーのみで、自慢の攻撃陣は沈黙。中2日で迎える一戦になるため、やれることはそう多くないが、だからこそ自分たちの原点を大事にしたいところだ。となれば、やはり攻撃。相手の統率された守備組織をどれだけ破壊できるかになる。
期待したいのが、リーグ戦初先発濃厚の船山貴之である。守備での献身性に加え、パスワークを循環させながら、ギャップを作る動きや背後の抜け出しで攻撃面での活躍も期待できるFWで、2トップを組む大久保嘉人もその実力には太鼓判を押す。「攻撃に厚みができるので、前としてはやりやすいね。自分が下がると前に出ていくし、自分が出ていくと下がってボールを受ける動きをしてくれる」。船山本人は「自分の結果よりも、チームの結果ですね」と自身の得点よりも勝利に貢献することを強調するが、船山がどんなアクセントになるか注目だ。
最終ラインには井川祐輔が起用される見込みで、昨季対戦では2戦ともに出場し、完封に貢献している。「セットプレーですね。コスウケ(太田宏介)が良いボールを蹴ってくるので」と警戒心を高めていたのは、西部洋平。我慢比べに長けたチームだけに、セットプレーによる失点でリズムを崩すことは注意したい。強い気持ちで勝ちをつかみたいところだ。(いしかわごう)
■川崎予想スタメン
4-4-2
GK
西部洋平
DF
エウシーニョ
井川祐輔
谷口彰悟
車屋紳太郎
MF
小林悠
中村憲剛
大島僚太
レナト
FW
船山貴之
大久保嘉人