■モンテディオ山形 フィニッシュ、クロスの精度に復調の兆し
第8節のアウェー清水戦は26分までに3点を奪われる最悪の立ち上がりとなったが、85分から3得点を挙げる派手な同点劇で勝ち点1を獲得した。降格圏同士の直接対決で3失点のまま敗れれば精神的ダメージが大きく、連戦の間に立て直すのは至難の業。諦めない姿勢が勝ち点につながったこの試合は、今後戦う際の指針となるものだ。
また、この試合の前まで、7試合で2得点と得点力不足を露呈していたが、3得点できたことで、今後のフィニッシュの精度にも良い影響が期待できる。課題となっていたクロス精度でも、高木利弥のクロスから林陵平が3点目を決めるなど良い兆候が見られている。特に高木利の積極的な仕掛けは、チームのストロングポイントになりつつある。
ただし、この3得点はあくまでもリスクを冒して取りにいき、それがうまくハマったレアなケース。他チームと比較すればゴール前のプレー精度は落ちるため、本来であれば簡単に失点しない堅い試合運びをしなければならない。また、第6節まではセットプレーから失点を喫していなかったが、清水戦は3失点ともセットプレー絡みで、その前の第7節FC東京戦でもセットプレーから1失点しているのは気になるところだ。
そして今節は中2日。前節先発メンバーの平均年齢が28.91歳。全員のハードワークをベースにする山形にとって、蓄積した疲労をどこまで軽減できるかも大きな懸念材料だ。(totoONE編集部)
■山形予想スタメン
3-4-2-1
GK
山岸範宏
DF
當間建文
西河翔吾
石川竜也
MF
キム・ボムヨン
松岡亮輔
アルセウ
高木利弥
ロメロ・フランク
ディエゴ
FW
林陵平
■横浜F・マリノス 負傷明けの中村、ラフィーニャの融合が今後の光
前節の広島戦は伊藤翔のゴールで幸先良く先制したが、その後は主導権を失って今季2度目の逆転負けを喫している。首位浦和との勝ち点差はこれで「9」。試合後、一部の選手は無言で取材ゾーンを通り過ぎるなど表情は硬く、ショックの大きさを感じさせた。それでも、中2日の連戦は待ってくれない。漂う嫌なムードを一掃するべく、昇格組である山形との一戦では何としても勝ち点3を奪いたい。
広島戦で示した新たな可能性が、今後の戦いの光となる。伊藤、齋藤学、アデミウソンの先発組3人と、負傷明けで途中出場した中村俊輔とラフィーニャの5人が初めて共演。先制点は、齋藤―アデミウソン―伊藤の好連係で奪ったもので、前者たちの距離感やプレーリズムの理解は深まっている。上位追撃へ、個で状況を打開できる後者2人をどう融合させていくかが、エリク・モンバエルツ監督の腕の見せ所だろう。センターバック栗原勇蔵が右足首の炎症で戦線離脱しており、ファビオは出場停止リーチ。ただ、右サイドバックは累積警告で出場停止だった小林祐三が復帰する。
山形との前回対戦は2011年で2戦2勝。アウェーでの対戦では、栗原がクラブ通算1000ゴールを決めるなど験がいい地でもある。今節はポゼッションで上回るはずで、再びチームとしての自信を取り戻す完勝を期待したい。(totoONE編集部)
■横浜FM予想スタメン
4-2-3-1
GK
榎本哲也
DF
小林祐三
中澤佑二
ファビオ
下平匠
MF
喜田拓也
三門雄大
兵藤慎剛
アデミウソン
齋藤学
FW
伊藤翔