首位浦和の堅守を支えるGK西川 [写真]=Getty Images
文=元川悦子
後半39分のズラタンの先制点で浦和レッズが1点をリードして迎えた後半ロスタイム。ガンバ大阪は昨季3冠の意地とプライドを賭けて1点を取りにきた。その最たる場面が47分の宇佐美貴史の決定機である。途中出場のリンスの鋭い縦パスに反応した若きエースは迷わず右足を一閃。そのシュートに堂々かつ勇敢に立ちはだかったのが、浦和の守護神・西川周作だった。
「昨日(GKコーチの土田)尚史さんが(宇佐美を想定して)1対1のシュート練習をしてくれたんです。宇佐美は他の人が打たないタイミングで打ってくるって話をしてましたし、あの瞬間はその意識で守ってました。
宇佐美は実力が確かな選手ですし、フリーにさせてしまえば仕事をしてくる。ボランチ、ディフェンスライン含めて彼に激しく行くのが今日のテーマでした。宇佐美が注目されているんで、止めれば逆にレッズが注目される。自分も含めてチャンスだと思ってやりました」と勝負の明暗を分けた決定機を阻止した背番号1は満面の笑みを浮かべた。
「貴史はあの瞬間、トラップの位置が100%じゃなかった。ちょっとインに入っちゃったから。ファーを狙う時は体を開かなきゃいけない。(ニアもファーも)どっちも蹴れる位置でトラップできてたら100%入っていたけど……。あれなら周作は止めれる。東口(順昭)でも止めてる」と起点となるパスを出した今野泰幸は宇佐美をかばったが、若武者がクラブ新記録となる7試合連続ゴールを達成できず、ガンバが重要な首位攻防戦を落とした事実は変わりない。「6試合(連続ゴールが)が6人もいるのに7試合が誰もいないってことは、それだけ高い壁ということ」と宇佐美自身も試合前に神妙な面持ちで語っていたが、まさに彼は西川という大きな壁に立ちはだかられる格好となってしまった。
その西川は、ガンバに敗れて失速し、無冠に終わった昨季終盤のことが脳裏に焼き付いて離れなかった。サンフレッチェ広島でリーグ2連覇を達成し、優勝請負人として満を持して浦和へ赴いた男にとって、重要な局面で勝負弱さを露呈したことを絶対に許せなかったに違いない。
「去年ガンバに勝ってないって気持ちは自分の中に強くありました。守備陣もその反省を踏まえてバランスを崩さなくなった。マキ(槙野智章)、那須の大ちゃん(那須大亮)、森脇(良太)がつねにコミュニケーション取りながらリスクマネージメントをしてくれてるし、阿部(勇樹)ちゃんも後ろで下がってくれる。非常にいいバランスが取れてるので、相手のカウンターの芽を摘むこともできてます。でも自分たちはまだ何も成し遂げていない。去年の究極のところまでも行っていないんで、まずはあと一歩でタイトルを取れるってところまで持っていきたい。そこで去年できなかったことにトライしたいと思ってます。現状には満足してないですし、とにかく勝ち続けたい」と西川はタイトルへの強い渇望を口にした。
これで浦和は今季J1・9戦無敗の勝ち点23で首位をガッチリキープ。通算失点も4とFC東京を抜いてリーグ最少に躍り出た。この日は日本代表守護神の座を争う東口との直接対決で、両者ともに持ち味を遺憾なく発揮したが、最後まで無失点だったのは西川の方。6月16日のシンガポール戦(埼玉)からスタートする2018年ロシアワールドカップアジア2次予選を視野に入れても、彼にとっては勢いのつく勝利だったのではないだろうか。
「やっぱりサッカー選手をやっていく以上、日本代表というところは目標であり、自分もしっかり試合に出なければいけないと思ってるんで、とにかくチームが勝ち続けることが一番かなと思ってます」と西川は温和な表情の仲にも強い決意をのぞかせた。
彼が闘争心を新たにしているのも、ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督率いる新生・日本代表の初陣だった3月2連戦で出番なしに終わったことが大きい。初戦・チュニジア戦(大分)に抜擢されたのは後輩の権田修一で、続くウズベキスタン戦(東京)は実績に勝る川島永嗣(リエージュ)がピッチに立った。新指揮官は「毎回、合宿にはGKを4人呼んで競争させたい」とコメントしており、西川も安穏としてはいられない状況だ。だからこそ、クラブでの絶対的安定感をアピールすることは極めて重要だ。このガンバとの首位攻防戦の勝利はインパクトが大きかったのは確かである。
「僕たちの後ろにはね、『和製ノイアー』じゃないですけど、11人目のリベロがいますので、ホントに頼もしい限りですけど」と槙野に言わしめた絶大な信頼感をハリルホジッチ監督にも実感させるべく、西川はここからも地道に前進を続けていくはずだ。
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