■鹿島アントラーズ 過密日程終了でコンディションは抜群
鹿島は弱点の一つだったセットプレーの守備をテコ入れ。前節のFC東京戦では伝統のマンツーマン守備を捨てて、ゾーンディフェンスを敷いた。試合途中からは相手の元日本代表FW前田遼一にマンマークをつけるなど、臨機応変に対応し、CK9本を防ぎきって今季初完封を達成した。
広島戦でどちらを選択するかは流動的だが、危機感を持って改善しようとする姿勢は評価できる。広島には昨季2戦2勝。計8得点と攻撃陣が爆発した。新人だったカイオは1得点ずつ決めており“広島キラー”として期待が高まる。
GWが明け、開幕からACLとリーグ戦との両にらみの過密日程も終了した。コンディションも整った中での一戦で最高のパフォーマンスを発揮できるかがカギとなる。
ただ、日本代表候補合宿に参加した4人に関しては疲労が心配だ。わずか2日間だったとは言え、練習、ミーティングでスケジュール的には“詰め詰め”。招集経験のある柴崎岳、昌子源は心配には及ばないが、初招集だった遠藤康は肉体的、精神的に疲弊していても不思議ではない。
会場はカシマスタジアム。今季は本拠地で公式戦2勝1分5敗と負け越しており、相性は良くない。広島は現在、11試合で7失点とリーグ最少失点。昨季のように勝てるのか。先制点を取れるかがカギとなる。(totoONE編集部)
■鹿島予想スタメン
4-2-3-1
GK
曽ヶ端準
DF
西大伍
ファン・ソッコ
昌子源
山本脩斗
MF
柴崎岳
小笠原満男
遠藤康
土居聖真
カイオ
FW
赤崎秀平
■サンフレッチェ広島 平均シュート数はJ1首位、課題はゴールの精度
平均シュート数は14.7本。2位の鹿島が記録した14.0本を上回り、J1首位だ。昨年のシュート数が10.6本(8位)だったことを考えれば、大きな改善だ。ただ、その決定率を見てみると、昨年の12.2%から今季は8.0%に低下。平均得点も1.29から1.18に低下している。
特に注目したいのは、11試合中4試合が無得点だったという事実。そのうち、ドローの浦和戦以外の3試合は0-1で敗戦している。6連勝を成し遂げられなかったG大阪戦も、18本のシュートを打ちながら無得点。G大阪に最初の被決定機を決められて逃げ切られた。得点をとっている試合は全て勝利(逆転勝利2試合)するなど、J1最少失点をベースとする安定感が際立っているだけに、広島が優勝を争うためには、次々と放つシュートをしっかりとゴールに直結させる必要がある。
対鹿島戦は昨年、ホームで0-3、アウェーで1-5と連続大敗中。ただ、当時と比較すると守備のバランス感覚は絶妙。ミスから先制され、取り返そうとバランスを崩してカウンターを次々と食らった昨年の二の舞になることはあまり想像できない。
だからこそ、問題は得点が取れるかどうか。ゴールを記録した7試合のうち6試合が2得点と、点が取れないチームでないことは明白。セットプレーと攻撃の構成力に長けた森崎浩司と、ワイドからのシュートやクロスに精度を持つ山岸智が練習に復帰しているが、鹿島戦に間に合うかどうか。いずれにしても、シュートをゴールに直結させることが勝利の必要条件である。(紫熊倶楽部 中野和也)
■広島予想スタメン
3-4-2-1
GK
林卓人
DF
塩谷司
千葉和彦
水本裕貴
MF
ミキッチ
青山敏弘
森崎和幸
柏好文
ドウグラス
柴崎晃誠
FW
佐藤寿人