スタメン復帰する見込みの中村憲剛 [写真]=Getty Images
■川崎フロンターレ ドルトムント戦の大敗を糧にできるか
2ndステージ開幕を迎えるにあたって、チームは7月7日にドイツの名門ドルトムントとの親善試合を行った。結果は、0-6という中断前のリーグ戦を3連勝で終えて生まれていた上昇ムードに冷水をぶっかけられたようなショッキングな大敗となったが、これも一つの試練だろう。「良い刺激になった。フロンターレがもっと強くなるきっかけになると思っている」と小林悠。これを本当に糧にできるかどうか。まずは、このFC東京との“多摩川クラシコ”のパフォーマンスにかかっていると言える。
見どころのひとつは、採用するシステムだろう。ドルトムント戦では、中断期間に取り組んでいた谷口彰悟をアンカーに配置した4-1-2-3をテストしたが、懸念された機能不全を起こしてしまい、前半途中で4-4-2に変更している。今節はこれまでベンチスタートとなっていた中村憲剛がスタメン復帰する見込みで、それに伴い、彼をトップ下に起用した3-5-2で臨む模様だ。前回の対戦で大久保嘉人が挙げたJ1通算140得点目も、中村がお膳立てしたもの。この2人がゴール前でどれだけ仕事できるか。そこに注目したい。
なお、前回の対戦では、2本のセットプレーから悔しい逆転負けを喫した。セットプレーでの集中力を切らさないことはもちろん、軽率なファウルを犯さないことは選手間でも強く意識してほしいところ。“多摩川クラシコ”で連敗は許されない。(いしかわごう)
■川崎予想スタメン
3-5-2
GK
新井章太
DF
武岡優斗
井川祐輔
車屋紳太郎
MF
エウシーニョ
大島僚太
中村憲剛
谷口彰悟
小宮山尊信
FW
大久保嘉人
レナト
■FC東京 武藤の移籍で得点力の低下が懸念
取りこぼしをなくし、勝ち切る姿勢がチームに浸透。その結果として、1stステージを過去最高の2位で終えたFC東京。一戦ごとに全力を尽くすスタンスは崩さず、さらにはACL出場権を得られる年間3位以上を目標とし、2ndステージに向かう。
チームトップスコアラーの武藤嘉紀がドイツマインツ05へ移籍し、得点力の低下が懸念されるところだが、新たにオーストラリア代表ネイサン・バーンズ、スペインからサンダサが加入。ただし、チームに合流してまだ1週間に満たず、今節は石川直宏と前田遼一の2トップが予想される。
石川は、「誰かが武藤の“代わり”を担うのではなく、個々の特徴を生かすことで新たなスタイルを見せたい。(前田)遼一のプレーは僕が最もよく分かっていると思うし、互いに良さを引き出し合えるイメージもある。その関係性をピッチの上で表現して、『FC東京にはこういう形もある』という期待感ももたらしたい」と力を込めた。
しかし、攻撃力アップも、あくまで堅守をベースにした上で見込めるもの。特に、リーグ戦9試合連続で失点を喫しているため、まずは失点を抑えたい。
1stステージ終盤はダブルボランチで臨むことが多かったが、羽生直剛、米本拓司らのけがからの復帰により、再び中盤に3選手を配する4-3-1-2、あるいは4-3-3の布陣を組むことも可能に。その構成を含めて、オーガナイズされた守備力を発揮できなければ、J屈指の攻撃力を誇る川崎を破るのは難しい。(totoONE編集部)
■FC東京予想スタメン
4-3-1-2
GK
権田修一
DF
徳永悠平
吉本一謙
森重真人
太田宏介
MF
羽生直剛
高橋秀人
米本拓司
東慶悟
FW
石川直宏
前田遼一