佐藤寿人の得点記録達成はお預けも…広島が逆転で山形下し首位浮上

 2015明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第10節が12日に行われ、モンテディオ山形とサンフレッチェ広島が対戦した。

 山形はセカンドステージで未だ白星がなく、リーグ戦ではファーストステージから数えて14試合、勝利から遠ざかっている。前回の対戦では広島に1-5で敗れており、この試合ではしっかりとした守備で失点を抑えることが課題となる。敵地に乗り込む広島は、FW佐藤寿人が中山雅史氏の持つJ1通算最多得点記録の157点にあと1ゴールと迫っており、大記録達成に注目が集まる。

 最初のチャンスは山形。6分、エリア手前でFKのチャンスを得ると宮阪政樹が直接狙う。強烈なシュートはクロスバーを直撃し真下に落ちたが、ボールは惜しくもゴールラインを割っておらず先制点とはならなかった。対する広島は14分、右からのクロスにドウグラスが頭で合わせたがDFに体を寄せられうまくミートできず、シュートは大きく左に外れた。

 22分、広島は野津田岳人がドリブルで運び右サイドを上がったミキッチへパスを通す。ミキッチはエリア内右からシュートを狙ったが、GK山岸範宏に阻まれた。さらに直後の25分、見方のクリアボールに反応した佐藤が難しい体勢でエリア外からボレーシュートを狙ったが、このシュートは力がなく、GKが正面で抑えた。対する山形も30分に決定機を作る。左サイドを崩して石川竜也がクロスを上げると、ファーサイドでフリーになっていた宇佐美宏和が右足ボレーで合わせたが、シュートは枠を捉えることができず、得点には至らない。

 試合が動いたのは35分。カウンターを仕掛けた山形はロメロ・フランクがドリブルで持ち上がり、裏に抜けだしたディエゴにスルーパスを通す。ディエゴはDFに体をぶつけられながらも左足でシュートを流し込み、先制点が決まった。しかし山形はこのリードを守りきれない。39分、右サイドを駆け上がったミキッチが切り返して左足でクロスを上げると、ボールはGK山岸の頭上を超えてそのままゴール左上に吸い込まれ、広島が同点に追いついた。

 先制した山形だったが、広島がすぐさま試合を振り出しに戻し、試合は1-1で前半を折り返す。

 後半に入り52分、広島は最初の選手交代で野津田に代えて柴﨑晃誠を投入した。すると60分、広島が逆転に成功する。右サイドのミキッチからグラウンダーのパスを受けたドウグラスがエリア外から左足を振り抜く。このシュートはDFにブロックされるも、こぼれ球を拾ったドウグラスがハーフボレーでゴールネットを揺らした。

 逆転ゴールの直後、広島は佐藤を下げて浅野拓磨を投入。佐藤の記録更新は次節以降に持ち越しとなった。対する山形も69分にロメロ・フランクとの交代で中島裕希をピッチに送り出す。

 広島は71分、セットプレーのこぼれ球を青山敏弘がエリア外からボレーシュート。強烈なシュートは惜しくもクロスバーに阻まれ、跳ね返ったボールを今度は塩谷司がボレーで狙ったが、これは枠の上に外れた。

 78分、追いつきたい山形は小椋祥平に代えて高崎寛之を投入。すると78分、山形がビッグチャンスを得る。右サイドからクロスが上がると、このボールに反応した中島がエリア内でミキッチに倒されPKを獲得する。ところがゴール右を狙ったディエゴのキックを完全に読み切った広島GK林卓人が横っ飛びでセーブ。山形は絶好のチャンスを逃してしまう。

 ピンチを凌いだ広島はその直後の79分、決定的な3点目を奪う。カウンターで抜けだした浅野がハーフウェーライン付近からドリブルで駆け上がると、最後はGKの股下を抜くシュートを冷静に決め、広島がリードを広げた。その後もチャンスを作った広島だったが追加点には至らず、一方の山形も攻め込まれる時間が続き反撃することができず、広島が3-1と逆転勝利を収めた。

 次節、山形はアウェーで柏レイソルと、広島はホームでサガン鳥栖と対戦する。

【スコア】
モンテディオ山形 1-3 サンフレッチェ広島

【得点者】
1-0 35分 ディエゴ(モンテディオ山形)
1-1 39分 ミキッチ(サンフレッチェ広島)
1-2 60分 ドウグラス(サンフレッチェ広島)
1-3 79分 浅野拓磨(サンフレッチェ広島)

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