6試合ぶりの先発が濃厚の伊東純也(右) [写真]=Getty Images
■名古屋グランパス 闘莉王とノヴァコヴィッチの2トップの相性は良好も守備面に不安
前節は新潟を相手に4-2で逆転勝利を収め、パロマ瑞穂での今季最終戦を歓喜で飾った。その翌節となる今回の戦いは、もう一つのホームスタジアム、豊田スタジアムでのホーム最終戦ということで選手はすでに気合十分に準備にいそしんでいる。
その一戦から採用された田中マルクス闘莉王とノヴァコヴィッチの2トップは思いのほか相性も良く、闘莉王のポストプレーからの展開にノヴァコヴィッチが絡む流れは、この2週間の練習でも徐々に連係力を高めてきている。また左サイドの永井謙佑は前節での2ゴール2アシストで自身の今季個人成績を9得点9アシストに伸ばした。あと1ずつで“ダブルダブル”を達成できるとあり、モチベーションも上昇中。9アシストのうち6つを決めている川又堅碁は、流れを変える切り札としてベンチ待機しているが、その存在感はチームの攻守に大きな影響を与えるまでに大きくなってきている。
ただし、不安要素として、12節の神戸戦から4バックの中央を固めてきた牟田雄祐が肋骨の骨折でスタメンを外れることが濃厚で、ディフェンスラインの連係面に再構築を迫られていることが挙げられる。大武峻は潜在能力は折り紙付きだがプレーにムラがあり、その点を楢崎正剛や竹内彬はじめ、周囲のサポートでどれだけカバーできるかは注目だ。また、高さでは優位に立つ名古屋だけに、セットプレーは前面に押し出していきたいところだったが、途中出場でも違いを見せられるレアンドロ・ドミンゲスがまたも負傷離脱したことは残念な限り。3バックとの相性も今季はあまり良くなく、今週のトレーニングでは前線からのプレッシングを徹底する対策を練ってきたが、実際のゲームでどこまで機能するかは不透明だ。
一長一短の要素を抱えながら臨むホーム最終戦は、いずれにせよアグレッシブに戦った上でどちらに転がるかという、ギリギリの戦いとなることは間違いない。(今井雄一朗)
■名古屋予想スタメン
4-4-2
GK
楢崎正剛
DF
矢野貴章
大武峻
竹内彬
本多勇喜
MF
小川佳純
磯村亮太
田口泰士
永井謙佑
FW
ノヴァコヴィッチ
田中マルクス闘莉王
■ヴァンフォーレ甲府 6試合ぶりの先発となる伊東と名古屋の永井の“スピードスター対決”が見所
名古屋は前節、永井謙佑、レアンドロ・ドミンゲスといった攻撃陣が戦線復帰。FW起用の続いた田中マルクス闘莉王を、DFに戻す可能性も考えられるが、甲府サイドは引き続き今節もFWで出場してくると予想。ゲーム形式の練習でも、セカンドチームの前線には身長189cmの盛田剛平、190cmの熊谷駿を配置。闘莉王とノヴァコヴィッチの長身2トップを想定して、準備を進めてきた。
ただ、守備の要である山本英臣が7月下旬に続いて、足の付け根の痛みを訴え、この試合は欠場の見込み。替わって3バックの中央には、畑尾大翔が入る。「名古屋の2トップのところで、ボールを落ち着かせないようにできれば、永井さんのスピードも生きなくなるはず。勇気をもってチャレンジしたい」と、リーグ戦9試合ぶりのスタメンに、決意をにじませる。
攻撃陣では「名古屋の左サイド。竹内彬、本多勇喜のところにできるスペースを、スピードで攻略したい」(佐久間悟監督)と、こちらも6試合ぶりの先発となる伊東純也の右シャドーでの起用が濃厚。2ndステージ第5節浦和戦以来のゴールを期待すると同時に、名古屋の永井との“スピードスター対決”を楽しみにしたい。
J1残留を勝ち取ったとはいえ、チームに弛緩はなく、良い意味で通常どおり。10月31日に行われた浦和との練習試合(45分×3本)も「攻守に緊張感のある内容のゲーム」(佐久間監督)で、4-3で勝利した。残り2試合を連勝すると、チームの年間最多勝ち点である「42(2006年)」に並ぶ。次なる目標に向けて、まずはリーグ戦でまだ勝利のない名古屋の地での、勝ち点3を目指す。(渡辺功)
■甲府予想スタメン
3-4-2-1
GK
河田晃兵
DF
土屋征夫
畑尾大翔
津田琢磨
MF
松橋優
新井涼平
マルキーニョス・パラナ
阿部翔平
伊東純也
阿部拓馬
FW
バレー
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