Jリーグは6日、明治安田生命2015 Jリーグチャンピオンシップの大会アンバサダーに、松木安太郎氏が就任したと発表した。
Jリーグの村井満チェアマンと記者会見に応じた松木氏は、「まずびっくりしたなと。アンバサダーということですから大使ですよね?“たいし”たことない大使の方じゃないかなと」と冗談交じりに感想を語った。
25日に開催予定のチャンピオンシップを前に松木氏は、「選手、スタッフ、コーチ、監督、全ての人の戦う姿。これが1番のアピール」と魅了を語り、「フィールドで戦う選手たちにぜひとも良いゲームを展開してもらって、サポーターの方々に素晴らしい試合を見せてもらいたいです」と選手たちの活躍に期待。それに対し、村井チェアマンから「(アンバサダーとして)期待してます」と声をかけられた松木氏は、「そんなに期待しないでください」と返し、笑いを誘った。
現在58歳の松木氏は、現役時代に東京ヴェルディの前身である読売クラブでプレーし、日本代表としても12試合に出場した。引退後は同クラブでコーチを努め、Jリーグが開幕した1993年にヴェルデイ川崎(現・東京ヴェルディ)の監督に就任。1993年、1994年にサントリーチャンピオンシップ連覇を果たした。その後は、セレッソ大阪や東京ヴェルディ1969などの監督を歴任し、現在は主にサッカー解説者として活躍している。
「Jリーグ始まって23年、僕も監督を務めたのは35歳ときでした」と語る松木氏は、「日本のサッカーもますます世界に通用できるようになった」と時の流れを実感しつつ、「現役選手は短かったが、監督としてJリーグの開幕に関われる喜びを感じていた」と当時を振り返った。
連覇したチャンピオンシップについて、「手探りでやっていたので、プレッシャーが多く、環境面でもまだ新しいチームということで、相当苦労した覚えがあります」と苦難を明かすと、「すごく試合の間隔が短く、しっかりと準備ができず、本当に勢いだけで終わってしまうようなリーグでしたが、プレッシャーの中で最後を迎えたときは、結果が出たためホッとしました」とコメント。
その経験から、「短期間ですから、とにかく気をつけないといけないのは体調面ですよね。安定したチームが強さを出すと思います。あとは最後まで諦めないこと、90分でゲームを戦うこと、何が起きてもいいように準備ができていることが、チャンピオンシップの戦い方としては重要だと思う」とリーグ戦とは違った戦い方を解説した。
さらに、ファンの楽しみ方を問われると、「選手たちが精一杯の姿、チャンピオンになりたいという想いをグラウンドで表現してくれれば、見てる方も一生懸命応援できますし、楽しいサッカーが見られると思う」と選手たちの全力プレーを期待。「FKを蹴る前にで(ラグビーの)五郎丸(のポーズ)をやる選手が出てきたりする可能性があるんじゃないかな。やりたい選手は多分いると思います」と冗談交じりにコメントしつつ、「厳しい中でもリラックスできるような試合を見せてくれれば、また違う楽しみ方があると思います」と語った。