C大阪はJ2最終節、ホームで東京Vと対戦する [写真]=Getty Images
アビスパ福岡は前節、天気も悪く、12時キックオフという条件の中、15750人の観衆を本拠地、レベルファイブスタジアムに集め、今季13度目となる1-0の勝利でホーム最終戦を飾った。これでリーグ戦11試合負けなしの7連勝。終盤戦では、金森健志や鈴木惇を負傷で欠きながらも、守備の安定感は維持し、攻撃でもロングボールだけに頼らず、つなぐところはしっかりとつなぎ、充実の戦いぶりで最終節の岐阜戦に挑むことになる。また、このゲームで敗れてはしまったが、負けてなお愛媛FCの充実ぶりも見ることができた。失点後も、チームに動揺は見られなかった。福岡が少し守備にウエイトを置いた分、攻める時間が増えたという見方もできるが、瀬沼優司の推進力あるドリブルはチームを勢いづけ、近藤貴司の機動力は福岡の脅威となっていた。交代出場の白井康介のスピード感あふれるドリブルとスペースへの侵入は、愛媛攻撃陣のギアを上げる働きをしていた。
第40節のアウェー京都サンガF.C.戦。勝利後、選手たちが応援に来てくれたゴール裏のサポーターに挨拶にいった際、そこに姿を現したのが、左ひざじん帯断裂で全治8カ月との診断を受けた岡崎建哉だった。関係者席で観戦し、試合後にロッカーで挨拶して帰るという選択肢もあるけれど、わざわざゴール裏まで足を運び、サポーターと選手と一緒に勝利を分かち合う岡崎の行動は本当に素晴らしいし、今、愛媛が一つになっていること、そして勢いを感じさせた。
「プレーオフは勢いが大事」と言われるが、福岡戦の敗北は愛媛の勢いを落としてしまうような負けには見えなかった。だからこそ、最終節のホーム徳島ヴォルティス戦が大事になる。この“四国ダービー”を制すと、セレッソ大阪の結果によっては4位でのフィニッシュもあり得る。つまり、プレーオフの第一戦をホームで迎えることができるのだ。仮にこの流れになれば、プレーオフ優勝も夢ではないだろう。
4位C大阪は、残り1試合となったところで監督交代。これが吉と出るか凶と出るか。最終節はホームで東京ヴェルディと対戦するが、この一戦に全てが懸かっていると言っても過言ではない。もし、東京Vに勝てれば4位をキープ。プレーオフの一戦目をホームで戦える。そしてご存知のとおり、プレーオフ決勝はC大阪のホームスタジアム、ヤンマースタジアム長居で開催されることが決まっている。ということは、最終節で勝利した場合、3戦連続でホームゲームという非常に有利な展開となる。東京Vがプレーオフ圏内入りを果たす可能性を残す中で、すでにC大阪はプレーオフ進出を決めているが、本当に大事なゲームが最終節に残されている。このゲームに快勝できれば、監督交代もポジティブなものになるし、2連敗の嫌な流れも断つことができるだろう。しかし、敗れると勢いをつけられないまま、プレーオフに臨まなければならない(勢いがなくても勝てそうなチーム力ではあるが)。本当に痺れるホーム最終戦となった。
前節もかなりドキドキの展開であったが、最終節までもつれることになったJ2(前節、大宮アルディージャが負けていたら、一体どうなっていたんだろう?)。ジュビロ磐田か、福岡か。自動昇格圏内のあと1枠を巡る戦い。長崎か、東京Vか。それともジェフユナイテッド千葉か。プレーオフ圏内のあと1枠を巡る戦い。最終節も緊張感たっぷりで、目が離せそうにありません。
さて、J2が最終節を迎えるということで、このコラムもこれで一旦終了。1シーズン、お付き合いいただきありがとうございました。totoの攻略サイトながら、全く予想もしないコラムを許していただいた『totoONE』の皆さん、予想にあたって何の役にも立たないコラムを読んでいただいた皆さん、本当にありがとうございました。そして、何よりスリリングな展開が最後まで続くJ2に感謝。プレーオフ決勝まで続く激闘を、もう少し楽しみたいと思います。
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