■サンフレッチェ広島 エース佐藤は7試合ノーゴールもドウグラスや清水が存在感を発揮
得失点差も、積み重ねれば勝ち点1に相当する――。そんな現実をまざまざと見せつけたのが、2ndステージの優勝争いだ。首位広島と2位鹿島との勝ち点差は「3」。だが、得失点において12点差も離れており、勝ち点で並んでも現実的に鹿島の逆転は困難だ。また、視点を年間勝ち点1位争いに移しても、広島を勝ち点2差で追う2位浦和との得失点差は12点。広島が引き分け、浦和が勝利して勝ち点で並んでも、得失点差での逆転は難しい。広島は勝てばもちろん、引き分けでも年間勝ち点1位と2ndステージ優勝のダブルタイトルを手にする確率が非常に高いと言えよう。
エースの佐藤寿人が7試合連続ゴールなし。切り札である浅野拓磨も4試合連続ゴールがない。水本裕貴がG大阪戦で左眼窩底骨折の重傷を負い、湘南戦の出場は不可能。ネガティブなデータも存在するが、一方でドウグラスと清水航平が共に2試合連続ゴールを挙げているのは心強い。また、水本に替わって先発出場が濃厚である佐々木翔も、甲府では不動のレギュラーとして堅守を支え、その実力に不安なし。今季先発したリーグ戦では4勝1敗2失点と結果を出し、急遽出場となったG大阪戦でもパトリックを完全に封殺。彼の苛立ちを誘い、退場に追い込んだ。ひざの故障で離脱していた柏好文も天皇杯の徳島戦で復帰。キレのあるプレーを見せつけている。
湘南戦のチケットはすでに完売。湘南は間違いなく強敵だが、3万人を超えるサポーターの前で、優勝の凱歌をあげる準備は整った。(紫熊倶楽部 中野和也)
■広島予想スタメン
3-4-2-1
GK
林卓人
DF
塩谷司
千葉和彦
佐々木翔
MF
ミキッチ
青山敏弘
森崎和幸
清水航平
ドウグラス
柴崎晃誠
FW
佐藤寿人
■湘南ベルマーレ 伸び伸びとしたプレー、攻守ともに手応えを感じる
FC東京と鹿島に連勝し、前節は残留争いの渦中にあった新潟を相手に、アウェーで2-0の勝利を収めた。3勝3分16敗とそれまで大きく負け越していた通算成績や、ビッグスワン未勝利など苦い過去を次々と覆し、目下3連勝と波に乗る。3試合連続の先制点と2ndステージ第5節の柏戦以来となるクリーンシートに、攻守の手応えが滲む。
日々の切磋琢磨なくして、好調の理由は語れまい。ゴールへの意欲やボールに対する執着心、最後までプレーをまっとうする個々の責任感など、チームとして大切にしている根幹が、厳しくも前向きなトレーニングとともに共有されている。伸び伸びとプレーし、躍動する選手たちの姿に、「たのしめてるか。」というクラブのスローガンがシンクロする。
しかし、今節対戦する広島との近年の戦績は芳しくない。J2から昇格して臨んだ2010年、2013年は4戦4敗、Eスタに限れば1997年の勝利以降黒星が並ぶ。反面、今季の1stステージはホームで0-0、ナビスコ杯では後半10人になりながらもアウェーで2-2と勝ち点を積み上げている。
相手の巧みな動き出しやスピードに対し、コンパクトな組織やタイトな守備を弛まず、転じれば敵陣で果敢に仕掛けて主導権を手繰り寄せる。もちろん、相手は年間と2ndステージの首位が懸かっている言わずと知れた強者だが、内容を伴った今季の戦いを今節も発揮し、現時点での集大成をピッチに示したい。(隈元大吾)
■湘南予想スタメン
3-4-2-1
GK
秋元陽太
DF
遠藤航
アンドレ・バイア
三竿雄斗
MF
藤田征也
菊地俊介
永木亮太
菊池大介
古林将太
高山薫
FW
大槻周平