南米王者が持つプレーの幅広さ認めた青山…「負けが全て」と悔しさ露わに

　FIFAクラブ・ワールドカップ2015準決勝が16日に行われ、サンフレッチェ広島はリーベル・プレート（アルゼンチン）と対戦し、0－1で敗れた。試合後、主将を務めるMF青山敏弘が取材に応じている。

　シュート数は広島が13本、リーベルが15本と互角の数字となったこの試合。両者チャンスを作り出し、一進一退の攻防となったが、72分にアラリオ・ルーカスが挙げた得点を守り切ったリーベルが決勝進出を決めている。
　
　試合後、「もっと自分が（ボールを）受けて散らしてっていうのをやんなきゃいけなかったな」と自分のプレーに対する後悔の弁を口にした青山。準決勝との違いについて問われ、「まずやっぱり頭がね、もっともっと働かせてプレーをしないといけない。後半はつぶされてしまったし、さらに上に行くにはプレーの選択肢を多く持たないといけないと思います」と答え、リーベルのプレーの幅の広さを素直に認めた。

　この試合、ボール支配率は広島の41パーセントに対して、リーベルが59パーセントと、広島はゲームを支配される時間帯が長く続いた。自分たちのプレーについては、「もっと具体的に自分たちのサッカーをしなきゃいけないなと感じました。我慢しかしてなかったんでね。言ってみれば、腰が引けていたんだと思う。特に前半は我慢しながらチャンスを作った分、後半何とかと思ったんですがね。そこでもう１つ上を行かないといけない」と話し、広島のサッカーを自信を持って披露できなかったと反省した。

　2014 FIFA ワールドカップ ブラジル大会のコロンビア戦で日本代表として先発出場し、62分までプレーした青山。そこからの成長について問われ、「ワールドカップより全然相手のレベルは低かったし、比べることにはならない。その中で自分に何ができたかっていうと何もできてないし、成長はしてないですね」と謙虚に答え、南米王者に敗戦した悔しさをにじませた。

　今後何をやっていかなければならないかとの質問に、「それは負けてからでは分からないし、何か変えないといけないかもしれない。何かっていうのはまだ分からない。いつも葛藤しながらやっていますけど、なんだかんだ言って強いチームはこういう試合に勝つんで、すべてはその差だと思う」と、世界との壁を改めて実感したと明かした。

　Jリーグではポゼッションを高めて、試合を支配して戦う広島。しかしながら、今大会では相手の攻撃を受けてカウンターという形で対応しているシーンが目立つ。チームとして戦い方の幅を見せている点について、「基本的にはJリーグも変わらないし、（攻撃を）受ける時は受けている。幅っていうところは勝てなかったんで出せなかったと思う。やっぱり勝ったチームが全て言えることですし、自分たちは何も言えない。次勝って何かつかめればいいと思います」と、普段通りの戦い方をしていたと強調した。

　3位決定戦に勝つことで次に何をしなければならないかが見えてくると、繰り返し言い聞かせた青山は、「負けたのが全て。次、頑張ります」と、最後に短くて強い言葉で今大会の最終戦への意気込みを口にした。

　広島は、20日に行われる3位決定戦でバルセロナ（スペイン）と広州恒大（中国）の敗者と対戦する。