G大阪戦でチーム3点目を決めた広島FWウタカ [写真]=Getty Images
ドウグラスの抜けた穴を埋められることができるのか——。サンフレッチェ広島に漂っていた不安を新加入FWピーター・ウタカが豪快な一撃で吹き飛ばした。
今季の開幕を告げる富士ゼロックススーパーカップ2016が20日に行われ、昨季の明治安田生命J1リーグ王者である広島は、同天皇杯覇者のガンバ大阪と対戦した。
前半は広島がしっかりとブロックを作って守りを固めたことで得点は生まれず、ともにスコアレスで折り返す。すると後半立ち上がりの51分、DF塩谷司の鋭い右クロスに素早く抜け出したFW佐藤寿人が合わせて先制。その6分後にはFW浅野拓磨がPKを力強くゴール左上隅に突き刺してリードを2点に広げた。だが68分、鮮やかなカウンターから相手FW宇佐美貴史にゴールを許すと流れは一変。残り20分でスタジアムはG大阪の追い上げムードに包まれる。
しかし、この嫌な流れを断ち切ったのが、新「9番」のウタカだった。
失点直後の69分、緊迫する難しい状況下で投入されたウタカは、「自信はあった。ベンチから試合を見ていたし、僕のやるべきことや、スペースがあることも分かっていた」と冷静だった。その言葉どおり、元ナイジェリア代表FWがさっそくゴールへ迫る。
71分、右MFミキッチのクロスを頭で合わせ、続く72分にはMF茶島雄介からのパスをペナルティエリア手前で受け、右足で強烈なミドルシュート。ともにゴールネットを揺らすには至らなかったが、惜しいシーンが続いた。相手GK東口順昭の好セーブに阻まれたミドル弾には「ゴールだと思ったけど、しっかりボールに力が乗らなかった。チャジ(茶島)からいいボールが来て、決まったと思ったけどGKがとてもいいセーブをしたね」と悔やんだ。
その思いを、すぐさま払拭するシーンが訪れる。直後の73分だった。
茶島の右CKからニアサイドで相手選手が触ったボールは、そのままファーサイドに流れる。その瞬間、「選択肢は一つだけだった」というウタカが、豪快に右足を振り抜き、ボレーシュートをゴール右に沈めた。スタジアムがどよめいた一発——。広島にとっては昨季J1で21得点を挙げたドウグラスが抜けた穴を補完する存在になる可能性を十分に期待させる一撃だった。
この得点で再び主導権を取り戻した広島は、今季初の公式戦を3-1で制し、2年ぶり4度目のゼロックス杯制覇を果たした。勝利に貢献したウタカも「ストライカーにとって、シーズン最初のゴールは可能な限り早く決めたいもの。次の試合への自信にもつながるからね。初試合で初ゴールをチームや同僚、ファンのために決められて本当にうれしい」と新天地での初得点を喜んだ。なにより、移籍後初の公式戦で決めた鮮烈なゴールは、自分自身の価値を証明できたことに他ならない。本人も「僕は自分自身をドウグラスと比べるつもりはない。ドウグラスはドウグラス。僕はピーター・ウタカだ。自分の仕事と監督から求められることに集中するだけだ」と付きまとう前任者の影を自らのプレーで払しょくさせる自信を語った。
今季、広島はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を戦うため過密なスケジュールを強いられる。ゼロックス杯から中2日の23日には、早くもACL初戦で山東魯能(中国)をホームに迎える。
「可能な限りゴールを奪いたいと思っている。どんなストライカーでもゴールすることを夢見るものだ」とさらなる活躍を誓うウタカだが、ボジションを約束されているわけではない。広島では2シャドーの一角に浅野、茶島、柴崎晃誠、野津田岳人ら選手層の厚い場所でポジション争いを強いられる。開幕前のトレーニングでは1トップのポジションにも入っていたが、いずれにしてもポジションごとに指揮官の求めることをこなしていくことが必要となる。ピッチ上に規律と共通意識を要求する森保一監督の信頼を得るため、まずはしっかりと役割をこなすことが必要だ。
「2シャドーのポジションはこれまでやって来た場所と違うけど、プレシーズンでやってきたし、チームに溶け込もうと取り組んでいる。ここではよりディフェンス面を求められる。もしカウンターのチャンスがあれば、しっかり狙っていきたい。簡単なことではないが、前を向いて進んでいくだけだ。試合は多いし、一人の選手が50試合に出場できるわけではない。良いパフォーマンスを見せていれば、監督に認められるだろう」
今季最初の一戦で豪快なゴールを挙げ、ますます注目の集まるウタカ。自身は比較を嫌うが、躍動したドウグラス超えを期待されるのは当然のこと。今季、広島がタイトルを獲得するには彼の活躍が必要不可欠だ。好スタートを切ったシーズンは幕を開けたばかり。ウタカの真価が問われる戦いがここから始まる。
文=湊昂大
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By 湊昂大