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長崎の攻撃にアクセントをもたらすドリブラー…大卒ルーキー中村慶太に生まれた変化

2016.04.12

今季、流経大から長崎に加入した中村 [写真]=平柳麻衣

 V・ファーレン長崎で、一際目立った存在感を放つ新人がいる。今季、流通経済大学から加入したMF中村慶太だ。

 開幕以降、全試合に出場を続ける千葉県出身のルーキーは、10日の2016明治安田生命J2リーグ、東京ヴェルディとのアウェー戦で今季4度目の先発出場を果たした。プロ入り後初めての関東凱旋試合となった一戦に、家族や友人も応援に駆けつけ、いつにも増して勝利への強いこだわりを持って臨んだが、結果はスコアレスドロー。持ち味である積極果敢なドリブル突破で見せ場は作りながら、シュート0本のまま70分に途中交代し、「今日の出来は60点くらい。点を取りたかったので悔しいけど、めげずに続けていきたい」と、率直な気持ちを隠さないまま、しかし充実感を漂わせた顔で語った。

 ここまで順調に出場試合を重ねている中村だが、転機となるゲームがあった。ホーム開幕戦となった第2節の清水エスパルス戦。相手には、流通経済大学付属柏高校の大先輩である大前元紀がいた。「自分が流経大柏に入ったのは、大前さんの代が高校選手権で優勝した姿を見たから。自分のサッカー人生に影響を与えてくれた人なので、恩返しのつもりで結果を出したかった」

 しかし、結果は0-3で完敗。大前には2得点を決められた。「めっちゃ悔しかったし、もっともっと努力しなきゃいけないと思った」。目の前で見せつけられた先輩の活躍に大きな刺激を受け、発奮した。その後の3試合でベンチスタートが続いたが、気を落とすことなく出番に備えると、先発に復帰した第6節の松本山雅FC戦で初アシストをマーク。「チャンスがある時にいかに活躍できるか。これから自分が生き抜く中で大事なことだと思うので、そこを突き詰めて、毎日サッカーのことを考えてやっていきたい」と、プロ選手としての自覚が変わった。

 プレースタイルにも変化が生まれつつある。大学時代は、一度ボールを持てばドリブルを仕掛けることを優先していた。流経大の中野雄二監督から「周りに合わせられるようになれば、もっと良くなる」と助言を受けても、ドリブルで通用するという自負があり、なかなか受け入れられなかった。だが、プロでは、それだけでは試合に出続けられない。大学時代から挙がっていた課題に再び直面したことで、意識が変わった。「オフ(ザボール)の動きはだいぶ増えたし、スペースの空け方も考えるもようになった。大学時代は正直、ボールを持ったら仕掛ければいいだろうと思っていたし、それで相手を抜けていた。でも今は、中野監督から口酸っぱく言われたことがよくわかる」

 この意識の変化には、長崎で『3-4-2-1』システムの右サイドに初挑戦していることも影響しているという。開幕戦からは2シャドーの一角での起用が続いていたが、松本戦、東京V戦は中盤の右サイドとして出場した。「自分のドリブルは活かしやすいと思う反面、3バックだと守備もすごく求められる。もう少しポジショニングを意識しないと、DFのムラさん(村上佑介)との距離が空いてしまった場面もあった。慣れていないものは仕方がないので、後ろの声を聞くしかない」

「両方できるように」という高木琢也監督の意向で、開幕前のキャンプ時から2つのポジションの練習を重ねるうちに、攻撃面でも味方のプレーに合わせることを「めちゃくちゃ意識するようになった」という。それは、自分の武器を封じ込めるという意味ではなく、自分の良さを最大限に活かすための最善の選択だ。

「今は全部トップスピードでやっているので、味方も合わせづらいと思うし、緩急をつけないといけない。中に入った時のアイディアやコンビネーションももっと考えないと。でも、一対一なら個の力で打開するのが自分の持ち味。そこでパスを出すようでは上には行けないと思っている。勝負するべきところは逃げずに、常にベストなプレーを選択して、チームを勝利に導けるように成長したい」

 中村のドリブルは、堅守速攻で素早いパス回しを展開する長崎の攻撃にアクセントをもたらしている。あとは本人が最も渇望する“ゴール”という結果を残すだけだ。「去年は大学で10得点を目標に掲げて、結局リーグ戦では1点も取れなかった。だから今年は具体的な数字は決めず、一試合一試合を全力でやろうと思う。最初から飛ばして足がつっても、また走りこんで鍛えればいい」

 誰よりも強いゴールへの想いを胸に秘めた期待の新星は、熱く、泥臭いプレーで長崎を勝利に導くことを誓った。

文=平柳麻衣

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By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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