清水と千葉のリーグ戦での対戦は7年ぶりとなる [写真]=Getty Images
2009年以来、7年ぶりとなるリーグ戦での対戦は、J2での再会となった清水エスパルスとジェフユナイテッド千葉。前回の対戦では、清水でプレーしていた山本真希が千葉の選手として古巣と対峙することや、それこそJリーグの舞台で両者が初めて激突した1993年6月5日には、市原のセンターバックとしてスタメン出場していた阪倉裕二が、清水のコーチとして古巣戦を迎えることなど、いくつかの因縁もある中で、今回は同い年の指揮官をピックアップしたいと思います。
ともに1960年生まれの小林伸二監督と関塚隆監督は、それぞれ島原商業と八千代という名門高校のご出身。高校3年時には2度の直接対決があったそうで、国体では長崎選抜のストライカーだった小林監督に軍配が上がったものの、高校選手権ではPK戦の末に八千代でやはりストライカーを務めていた関塚監督がリベンジに成功。同じポジションということもあって、小林監督曰く「お互い意識していたと思うよ」という感じだったそうです。その小林監督は常に現場で指揮を執っている印象が強いと思いますが、大分トリニータの監督を退任されてからセレッソ大阪の監督に就任するまでの数カ月間はメディア活動をしていた時期があり、私がディレクターを担当していたJ SPORTSの『Foot!』という番組にご出演いただいたことも。その『Foot!』の企画の中で、当時J2に所属していた川崎フロンターレの関塚監督に突撃インタビューを敢行し、お二人が楽しそうにお話しされていたことを鮮明に記憶しています。
そんな両指揮官は、J1復帰だけを明確な目標として掲げるチームを率いながら、ここまでのシーズンはやや苦労している感が否めませんが、この一戦に懸ける想いは少し特別であるはず。ただ、ここはなかなか勝利を挙げられなかったホームで連勝中という清水のバイオリズムを考慮し、本拠地3連勝を意味する「1」でいきたいと思います。
昨シーズンはJ1を主戦場にしていた“降格組”対決となる松本山雅FCとモンテディオ山形の一戦。このゲームにおいて、プロになってから初めての古巣対決を迎える選手が、松本でボランチの定位置を確保している宮阪政樹です。2012年に明治大から山形に加入した宮阪は、ルーキーイヤーからいきなり奥野僚右監督の信頼をつかみ、長短を巧みに使い分ける正確なキックを武器にリーグ戦40試合に出場。石﨑信弘監督が就任した2014年にはリーグ戦全試合でスタメン出場を果たし、主力として昇格プレーオフ進出を勝ち獲ると、山岸範宏が記録した衝撃のゴールもピッチ上で経験しながらJ1昇格に貢献。昨シーズンは自身初となるトップディビジョンを体感し、さらにプレーの幅が広がった印象があります。
そんな宮阪が新天地に選んだのは松本。序盤戦はシャドーの一角で起用されていましたが、宮阪自身は「いろいろなポジションをできるというのが自分の強みでもあると思う」と新しいポジションにも高い意欲で取り組んでいた時期を経て、第6節以降は本人が「同じ練馬出身として戦っていきたい(笑)」と言及する岩間雄大と組むドイスボランチの一角に定着。チームも前節こそファジアーノ岡山に1-2で競り負けたものの、前々節までは6戦負けなしの4連勝と確実に調子を上げてきています。また、彼の直接FKはJ2屈指の精度を誇り、山形時代に直接ゴールに叩き込んだFKの数は圧巻の12本。今シーズンも第12節の東京ヴェルディ戦では移籍後初となる直接FKでのゴールをマークし、試合後には「感覚的には蹴った瞬間に『入った』と思いました」と手応えを口にしていました。今節は前述した通り、宮阪にとっては初めて古巣と対戦する90分間ということで、やはり昨年まで山形に在籍していた當間建文とともに、モチベーションは最高潮のはず。前節はカマタマーレ讃岐に競り勝った山形も序盤の不調を脱し、10位まで順位を上げてきていますが、ここはアルウィンで宮阪のFKが炸裂することを予想しつつ、ホーム勝利の「1」で勝負したいと思います。
文=土屋雅史
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※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。
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