前節、クラブ新記録となる6戦連発を決めた小林。甲府戦では「取れるんじゃないかな」と感じていたという [写真]=Getty Images
FW小林悠がJ1リーグ記録に王手をかけた。
6日、川崎フロンターレは明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第7節でヴァンフォーレ甲府と対戦。2-0で迎えた56分、MF中村憲剛の浮き球のパスに反応した小林が得意の抜け出しで相手のマークを外すと、右足での絶妙なトラップから左足を振り抜き、ゴール左端に突き刺した。「裏(への抜け出し)を相当警戒されていましたけど、一瞬の隙を見逃さずにしっかりと突けた。憲剛さんがいいパスを出してくれました。(自分の)動きとパスがしっかりと合えばゴールにつながる」。この結果、元スペイン代表FWフリオ・サリナスが1997年から1998年にかけて横浜マリノス(現横浜F・マリノス)で記録した8試合連続ゴールまであと一つと迫った。
「動き出しとトラップ、ゴールまでの一連の動作すべてが完璧でした」
自画自賛のゴールで連続ゴール数を7に伸ばした小林は、スタンドのファン・サポーターに向かって背番号「11」を両手で指し示し、力強いガッツポーズで喜びを表現した。これで7試合連続ゴールを記録しただけではなく、キャリアハイの13ゴールに到達したが、「言われて『そっか』と気付きました(笑)。あまり(ゴール数を)気にせずにやれているほうが、ゴールを取れると思うので、このまま無心でやっていければいい」と本人は全く意に介さない様子。中村もまた「あいつは狙ってないのがいいんじゃない? 一試合の中で来るであろうチャンスを決めればいい、という精神状態になっている」と話す。
リーグ戦16試合負けなしと快進撃を続ける川崎の中で、小林の勢いは際立っている。ともに攻撃陣をけん引するFW大久保嘉人が「前に行く勢いがすごくある。今は乗っているからね。乗っているときは何でも入っちゃう」と語るように、その勢いは止まる気配がない。「Jリーグ記録に挑戦できるのは、今一人しかいないんだから、それを楽しんでほしい。俺はパスも出せるし、アシストをしてあげたい気持ちもある」と大久保は大記録に迫った後輩へエールを送る。
J1記録の8試合連発は視界に入った。「意識したら(ゴールが)取れなくなるので、あまり意識しないようにしたい」と小林は次戦の敵地でも平常心でゴールを狙う。
By 高尾太恵子
サッカーキング編集部