2016明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第8節
8月13日 19:00 ヴィッセル神戸 vs FC東京(@ノエビアスタジアム神戸)
■ヴィッセル神戸 2ndステージはここまで連勝なし、小川らの復帰は明るい話題
前節のアルビレックス新潟戦に敗れ、2ndステージ初の連勝を逃した神戸。3勝1分3敗で8位に順位を下げるなど、なかなか波に乗り切れない。対するFC東京は、篠田善之新監督の下、2連勝を飾って11位に浮上。単純にチームとしての勢いだけを見れば、神戸よりもFC東京が優勢のように見える。
神戸のマイナス材料としては、ここ3試合でわずか1点しか挙げられていない点。前々節の大宮アルディージャ戦では右サイドバックの高橋峻希が今季初ゴールを挙げて勝利したものの、レアンドロや渡邉千真らアタッカー陣の不発が続いている。前節はパサーのニウトンが負傷欠場、切り込み隊長のペドロ・ジュニオールが警告累積による出場停止と役者がそろわなかったものの、チャンスは作れていただけにゴールを決め切る力が欲しかった。また、途中から3ボランチを置く4-3-3のシステムに変更。両サイドバックの上下動が増えたことで負担も大きく、左サイドバックの橋本和が後半に足をつる場面も見られた。サイドバックの交代も視野に入れた3枚のカードの切り方が問われる中で、試合の流れを変えられる“ジョーカー”の不在も問われる一戦となった。
プラス材料はボランチの田中英雄の好調ぶり。前節は“新潟の心臓”レオ・シルバのリズムを狂わせ、前への推進力を高めた。約4カ月ぶりに復帰した小川慶治朗、出場停止開けのペドロ・ジュニオールも含め、前への推進力が今節のキーポイントになりそうだ。(totoONE編集部)
■FC東京 前節は磐田に競り勝つ、離脱者多数のボランチは不安要素
前節はジュビロ磐田にボール支配を許したが、ムリキのスピードが生き、PKを含めて自身2得点。またJ1初出場のユ・インスが後半アディショナルタイムに決勝点を奪い、連勝を果たした。途中出場のユ・インスと野澤英之が好パフォーマンスを発揮し、篠田善之監督の下、ホームで初勝利をつかんだことでチームの雰囲気も活気づいている。だが、試合を振り返ると、磐田の厳しいプレスの前にボールがつなげず、苦しんだ。攻守両面に渡ってラインが間延びした時間も長かった。
篠田監督は「ボランチの1枚が前に上がり過ぎ、磐田の攻撃の選手をフリーにさせてしまった。そこにボールが渡った時に、我々のディフェンスラインは下がらざるを得なくなった」と省み、中盤を軸としたバランスの修正を第一の課題に挙げる。
ただし、今節は高橋秀人が出場停止のため、ボランチの選択肢は限られることになる。トレーニングには急遽、U-18所属の鈴木喜丈(2種登録)を参加させ、ベンチ入りも見込めるが、先発は野澤と田邉草民の起用が濃厚だ。
野澤の展開力、田邉の推進力に期待が掛かるが、神戸は前線にスピードとパワーのある攻撃陣がそろい、サイドバックも高い位置取りをしてくるため、我慢の時間帯が長くなることも予想される。そこで慌てずに戦い、流れを引き寄せられるかがカギ。好調のムリキを中心に、「ゴールを取られても取り返す」という意識がチームに根づいてきているだけに、失点を抑えられれば勝利は近づく。(totoONE編集部)