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【予想スタメン】16戦未勝利の名古屋、高さを生かしたセットプレーが柏攻略のカギ

2016.08.19

2016明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第9節
8月20日 19:00 柏レイソル vs 名古屋グランパス(@日立柏サッカー場)

柏レイソル 仙台に敗れリーグ戦2連敗、守備に不安も今節から主力2人が合流

 前節のベガルタ仙台戦では主導権を握ったにもかかわらず、課題のセットプレーとミス絡みの失点で“自滅”とも言える敗戦を喫した。しかも2連敗によって順位も後退。2ndステージ優勝が非常に厳しい状況に追い込まれた。

 連敗ストップのカギは2ndステージ8試合で14失点と崩壊傾向にある守備の統制にある。特に4試合連続で失点を喫しているセットプレーの課題は修正しきれておらず、相手は高さに強みを持つ名古屋だけにどこまで課題が改善されているかが問われる。ただ、今節からはリオ五輪に出場していた守護神の中村航輔と、同じくリオ五輪日本代表のバックアップメンバーだった若きディフェンスリーダーの中谷進之介がチームに復帰。守備の要を担う2人が戻ったことで、守備面には安定感が戻るはずだ。

 また、前節は大谷秀和が負傷し、今節は欠場濃厚となっている。中盤の軸である大谷の欠場は痛手だが、仙台戦でも大谷に代わって途中出場した秋野央樹が素晴らしいプレーを見せた。チーム屈指の展開力とパスセンスを持つ秋野を起点に、おそらく柏がボールを握る時間帯が増えるに違いない。守備面では失点が目立つ一方、クリスティアーノ、ディエゴ・オリヴェイラ、伊東純也、スピードと突破力を兼備した3人のアタッカーを並べ、チームには「2、3点を奪う力はある」と攻撃力には自信を持つ。それだけに守備が安定すれば、自ずと結果はついてくるだろう。(鈴木潤)

名古屋グランパス 8戦1得点と攻撃面の課題は深刻、残留に向けて勝ち点3が必須

 横浜F・マリノス、サンフレッチェ広島、浦和レッズと強豪との対戦が続いたここ3試合を守備的に戦ってきた名古屋だが、ここからは攻撃も重視して戦っていくことになる。残留にはより多くの勝ち点が必要であり、16戦未勝利の惨状を救えるのは、得点しかないからだ。そのためにも2ndステージ8戦で1得点と絶不調の攻撃陣には並々ならぬ奮起が求められる上に、シモビッチの負傷離脱を乗り越える躍動感を表現していく必要性が出てきた。

 好材料はある。まずは5-4-1のシステムのまま、前節浦和戦ではポゼッションの形を一つ生み出すことに成功しており、相手を問わずその意識は継続して保たれている様子。最終ラインで数的優位を作ってボールを回し、ボランチとの連係で前線にパスを送り込む流れは選手たちも好感触を得ており、多士済々の面子がそろってきた2列目との戦術的相性もまずまず。シモビッチ不在で川又堅碁も要調整の今、永井謙佑を頂点とする形は継続が濃厚だが、その下のシャドーポジションには田口泰士や和泉竜司、小川佳純、松田力など個性あふれる選手たちがそれぞれの狙いと特長をもって出番を待っている。

 田口に関してはボランチ起用の線もシャドー同様に濃く、松田の切り札としての能力の高さを買って小川をスタメンに予想した。ジュロブスキーコーチの指導が入った戦い方には最も親和性の高い選手であり、状況判断の正確さでもベテランらしさを見せる背番号10には、チームの落ち着きどころとしての働きを期待したい。

 さらにはウイングバックとして最終ラインから最前線を行き来する矢野貴章のDFとFWの役割を合わせた“DFW”としての活躍にも要注目だ。シモビッチと並ぶチーム最強のエアバトラーは、セットプレーだけでなくゴールキックなどの空中戦でも重宝される人材。彼をどれだけオーバーラップさせられるかも、名古屋にとっては重視すべき部分になる。5バックで3戦4失点の守備は今一度集中力を高める必要があるが、それも攻撃の循環が助けになることもある。17戦ぶりの勝利へ向け、敵地と言えど、攻撃に重心を傾けて戦う覚悟だ。(今井雄一朗)

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