2016明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第9節
8月20日 19:00 アルビレックス新潟 vs アビスパ福岡(@デンカビッグスワンスタジアム)
■アルビレックス新潟 前節の甲府戦は精彩を欠き完敗、攻撃陣3人の復帰は明るい話題
前節のヴァンフォーレ甲府戦は35分、ドゥドゥにPKを決められて喫した1点を返すことができず、0-1で敗れた。先制後はブロックを固めた甲府に対し、ボールを持つことはできた。しかし実際は堅陣をこじ開けようとする勇気と決断力に欠け、腰の引けた戦いに終始。スコア以上の完敗だった。今季初の連勝、そして残留争いから一歩抜け出すチャンスを、みすみすふいにしてしまった。
思うような結果を出せないながらも、今季から率いる吉田達磨監督の下、チームはここまで1週間のトレーニングで準備してきたことをピッチで表現することに全力を尽くし続けている。そこにチームの成長と、状況打開の希望を見出すことができるのだが、甲府戦に関しては精度と質が大きく低下していた。シーズン終盤にきて不安の残る90分だった。
今節、ホームに迎える福岡は年間最下位。同14位の新潟にとって、必勝の試合だ。その意味で、前節は出場停止だったラファエル・シルバ、リオ五輪から鈴木武蔵、野津田岳人が戻ってきたことは心強い。
吉田達磨監督も、この1週間は選手たちの迷いを断たせるかのようにハードなトレーニングを実施。前節、不完全燃焼に終わった『1週間準備してきたことを90分全力で表現する』という本来のサイクルを取り戻すことを目指す。自ら壁を打ち破る一人ひとりの気概が問われている。(totoONE編集部)
■アビスパ福岡 残留に向け重要な一戦、FWウェリントンは欠場濃厚
13日にホームで開催されたJ1・2nd第8節は1-2で鹿島アントラーズに敗れた。その試合直後の記者会見で、井原正巳監督は「我々の時間を作らせてもらえず、率直に言えば完敗だった」とコメントした。これまで勝ち点こそ積み上げられなかったが、手応えのあるゲームが続いていただけに、良いところを出せず、シュートも3本に抑えられて完敗した結果には、精神的なショックも大きかっただろう。今節は、その悪い流れをどのように断ち切るかが重要になってくる。
またデンカビッグスワンスタジアムは、2011年10月に福岡のJ2降格が決まったスタジアム。そういった負のイメージを払拭することも、今節で果たすべき仕事の一つだ。そのピッチにも立っていたキャプテンの城後寿は「苦しい思いをして、ようやくたどり着いたJ1なので、負けたら終わりという気持ちで戦いたい」と今節の意気込みを語り、「(新潟に)勝って、新潟も残留争いに巻き込みたい」と加えた。残留圏内14位の新潟とは勝ち点差「8」と開いているが、福岡はここで勝利できれば、残留に向けて大きな1勝になるはずだ。
今季はリーグ戦とカップ戦で新潟と対戦し、1勝1敗の五分。カップ戦では福岡が4-2と大量得点で勝利した。福岡は、前線でターゲットになるウェリントンが左ひざのけがから復帰できず、今節もエースを欠くことになりそうだが、その分、スピードを生かした攻撃で新潟の背後を突きたい。またリオ五輪組が復帰することになるが、福岡は左サイドの亀川諒史が先発に戻ってきそうだ。(新甫條利子)