今節の対戦相手である愛媛でプレーした経験を持つ石井謙伍 [写真]=Getty Images
6勝12分17敗の22位。現在は3試合連続ドローながら、ひとつ上の順位につけるツエーゲン金沢との勝ち点差が3に開いたことで、ここからはより勝利が求められることになるギラヴァンツ北九州。金沢に2ポイント差まで迫られ、こちらも負けが許されない19位カマタマーレ讃岐との一戦では、濃密な3カ月をともに過ごした選手たちの再会が実現するかもしれません。
Jリーグという晴れ舞台を目指して各地域で強豪が鎬を削っていた2006年。当時東海リーグ1部に所属していたFC岐阜は、無敗でリーグ優勝を達成。JFL昇格を懸けて全国地域リーグ決勝大会へ挑むことになります。当時の“地決”はまさに群雄割拠。この2006年大会にもファジアーノ岡山、V・ファーレン長崎、讃岐、TDK(現・ブラウブリッツ秋田)、Y.S.C.C.横浜と、現在はJリーグに加盟している数多くのチームが出場していましたが、その中から自動昇格できるチームは優勝チームだけで、2位はJFLとの入れ替え戦に回るという、実にシビアな大会が“地決”であり、この大会に向けて各チームが緊急補強を施すというのは定例化していました。
そんな中、岐阜が昇格への切り札として10月に補強したのが、九州リーグの2シーズンで26試合27得点を記録していたニューウェーブ北九州の池元友樹と、同じ九州リーグに在籍していた沖縄かりゆしFCの木島徹也。やはり柏レイソルから加わった長谷川悠など実力者を加えた岐阜は、11月24日から3日連続で行われる“地決”の1次ラウンドに臨みますが、この1次ラウンドの3試合で5ゴールを奪った池元とともに存在感を放ったのが高木和正。初戦と2試合目でそれぞれゴールを記録し、3連勝に大きく貢献すると、TDK、岡山、長崎と同居した決勝ラウンドでもこの2人は大車輪の活躍を見せ、2位に入ってJFLとの入れ替え戦へ。ここでもホンダロックSCを2試合合計8-1と圧倒し、岐阜は悲願のJFL昇格を手にします。池元は短期レンタルのため、この3カ月でチームを離れたものの、木島は翌シーズンもJFLを戦い、高木はJ2でも2シーズンに渡ってチームを牽引。彼らが岐阜の黎明期を彩ったことに異論の余地はないでしょう。
その“地決”からちょうど10年。なかなか岐阜で活躍することができなかった木島は、4チームを渡り歩いた末に辿り着いた讃岐で現在ブレイク中。第31節からは4戦連発を記録するなど、チームトップの8ゴールを奪っています。また、高木も中盤で欠かせない戦力としてフル稼働している中で、今季から北九州に復帰した池元は、思ったようにゴール数を伸ばせず、8月下旬から負傷離脱中。ようやく全体練習に部分合流したとのことですが、苦しいチーム状況の中で早期復帰が望まれています。非常にシビアな展開が予想される今節のゲームは、お互いに前節は引き分けたものの、讃岐は木島の好調ぶりが際立つ一戦に。ここは彼の存在感を加味して、アウェイで讃岐が意地を見せるという「2」を予想したいと思います。
23勝3分4敗で、3位のセレッソ大阪に11ポイント差をつけての首位。現在は8戦負けなしといよいよ昇格のカウントダウンに入りつつある北海道コンサドーレ札幌。今節の相手は9位まで浮上してきたものの、昇格プレーオフ進出に向けて勝ち点3のみが必要な愛媛FCですが、この一戦にも熱い古巣対決が存在します。
ここ4試合はスタメン出場が続き、チームの好調に自らもしっかり乗っている感のある石井謙伍。北海道出身の彼は高校入学と同時にコンサドーレの門を叩きましたが、時を同じくしてU-18のコーチに就任したのが、現在トップチームを率いる四方田修平監督。高校3年時に指揮官となった四方田監督の薫陶を受けた石井は、2005年にトップチームへと昇格。ルーキーイヤーからいきなりJ2のリーグ戦17試合に出場し、初ゴールをマークするなど期待の存在に。途中出場の多かった2007年も重要なゲームでゴールを記録し、印象に残る活躍を披露してJ1昇格に貢献。クラブ生え抜きのストライカーとして、将来を期待されていました。ただ、1年での降格を余儀なくされた2008年を境に出場時間は大きく減少。翌シーズン終了後には契約満了が発表され、石井はU-18時代を含めれば8年を過ごしたクラブを離れ、愛媛へと完全移籍で加わることになりました。
再起を期して愛媛の地を踏んだ石井はバルバリッチ監督の下、本来のストライカーポジションのほかに、持ち前のスピードとハードワークが評価され、右サイドで起用される回数が増加。元々持ち合わせていたゴールへの嗅覚も生かせるポジションとして、新境地を開拓すると、2012年からの2シーズンは印象的なプレーが続き、傍から見ていても一気に輝きを取り戻した感がありました。すると、2013年のオフに一度は退団を余儀なくされた古巣からのオファーを受諾し、5年ぶりに札幌へ復帰。それでも、プロサッカー選手として試合に出場する喜びを再認識したであろう愛媛での4年間が、石井にとって何物にも代えがたい期間であったことは想像に難くありません。
3年連続で開幕スタメンを飾った今季は、皮肉にも第3節の愛媛戦で開始早々に肉離れを負ってしまい、戦線離脱を余儀なくされてしまいましたが、復帰後は左右のウイングバックで果敢な上下動を繰り返し、攻守にサイドを疾走。前半からの途中出場となった第31節のザスパクサツ群馬戦では、ストライカー時代を彷彿とさせる泥臭いシュートで、今季初ゴールがそのまま決勝ゴールに。以降はスタメンを確保し、U-18時代の恩師が指揮を執るチームの中で、ラストスパートに向けて躍動しています。
札幌にとって今節の対戦相手となる愛媛は、序盤戦こそ勢いを出し切れなかったものの、7月以降はわずかに2敗と粘り強く勝ち点を積み重ね、前々節で今季初めて一桁順位まで浮上してきており、間違いなく上り調子と言えるでしょう。実は札幌も直近のアウェイゲームは3戦連続ドローであり、愛媛はリーグ最多の17引き分けを記録していることを考えれば、流れ的にはドロー決着が濃厚、という雰囲気も。高額配当への期待も込めて、今回は「0」を推したいと思います。
文=土屋雅史
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※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。
■明治安田生命J2リーグ第36節
2016年10月16日(日)14時キックオフ
ギラヴァンツ北九州vsカマタマーレ讃岐(北九州市立本城陸上競技場)
■明治安田生命J2リーグ第36節
2016年10月16日(日)19時キックオフ
愛媛FCvs北海道コンサドーレ札幌(ニンジニアスタジアム)
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