発表会に参加した大久保嘉人(左)、北澤豪氏(中央)、李忠成(右)
25日、Jリーグとトップパートナー契約を結んだスイスの高級時計メーカー「タグ・ホイヤー(TAG HEUER、Branch of LVMH Swiss Manufactures SA)」が、契約締結記者発表会を実施。Jリーグの村井満チェアマン、日本サッカー協会理事の北澤豪氏、FW大久保嘉人(川崎フロンターレ)、FW李忠成(浦和レッズ)が登壇した。
今回の契約により、タグ・ホイヤーはイングランド・プレミアリーグやドイツ・ブンデスリーガに続いてJリーグのオフィシャルタイムキーパーを務めることが決定した。これについて村井チェアマンは、「サッカーに限らず、スポーツがデジタル化していく中で、時間というのはものすごく重要。今回タグ・ホイヤーさんにトップパートナーになっていただき、リーグとしてものすごく心強いです」と語ると、「家内に褒められることはあまりないんですけど、『あなたにそんなセンスがあったのね』と褒められました」とエピソードを明かした。
その後、北澤氏、大久保、李の3人がタグ・ホイヤーの腕時計を着用して登場。最年少の李は「すごく着けやすい」と感想を述べると、「みんなそれぞれ(着用しているモデルが)違うんですけど、やっぱり北澤さんのが一番かっこいいんですよ。僕、一番下なのでそこは何も言わずに見ていたんですけど」と言って会場の笑いを誘った。
そして、北澤氏は今回の契約について、自身が現役時代に経験した“ドーハの悲劇”を引き合いに出しながら次のように話した。
「本当にありがたいです。サッカーにとって時間というのはとても重要。我々は10秒でワールドカップに行けなかったこともありましたから。90分はもちろん、ロスタイムを正確に出すということもサッカーにとって重要になっています」
また、「自身にとって忘れられない時間は?」と問われた大久保は、「やっぱり初めて海外挑戦をした時。今でも思い出しますし、すごくいい経験をしたので、若い時にスペインに行ったことですね」と、2005年にマジョルカへ移籍した時のことを振り返った。
この質問に李は、「やっぱり2011年アジアカップの決勝ゴール」と、日本代表をアジアチャンピオンに導くこととなったオーストラリア代表戦でのボレーシュートを挙げ、「“時”というのを生で体感した瞬間でしたね。あの瞬間だけボールが止まったように見えたんです。写真で切り取ったように、その場面がパシパシパシッと止まっていったので、トラップせずに打てた。そしてあのゴールがあったからこそ、たくさんの人たちの感動を肌で感じられたので、本当に“時”というのはあの瞬間に一番感じましたね」とコメント。すると北澤氏も、「しびれたね、あの時は。俺も止まった感じになったもん」と、同じように“時”を感じていた様子で話し、「サッカー選手はキャリアを終えていかなければいけない。彼らには選手としての時間を大切にしてほしいです」と、現役を続ける両選手にエールを送った。
その後、3人はタグ・ホイヤーの最新モデルを懸けてキックターゲットに挑戦。持ち玉5級で、大・中・小と大きさの異なる枠にボールを蹴り込むルールで争われた。
1番手の李が1本成功させると、「こういう賞品がつくと強そうだもんね、二人」と弱気な発言をした2番手・北澤氏も1本を成功。そして「すごいプレッシャー」を感じながら挑んだ3番手・大久保がまさかの0本に終わると、北澤氏はすかさず、「ゴールじゃないからね、これは」とフォローしていた。
1-1で並んだ李と北澤氏によるサドンデスでは、「あそこ(一番小さい枠)に入れたくなるもんね」(北澤氏)と、そろって一番むずかしい枠にターゲットを絞る。しかし、5巡目を迎えたところで先攻の李が一番大きい枠を狙って見事に成功させると、「ズルっ。あそこ(小さい枠)狙ってたのに、急にでかいとこ……おかしくないか?(笑)」と漏らしながら放った北澤氏のキックが失敗に終わり、結局このゲームは李に軍配があがった。
勝者として最新モデルの腕時計を授与された李は、「素直に嬉しいです。この時計とともに残りのサッカー人生を刻んでいきたいと思います。残りのサッカー人生、一人でも多くの人に感動を与えられるような選手になっていきたいと思います」と、喜びと今後の決意を語り、大久保も「いい時間を過ごして、あと何試合できるかわからないですけど、その試合で常に得点できるように頑張ります」と決意表明。
最後は北澤氏が、「改めて時間の大切さを考えることができました。Jリーグも残り2試合。この時間がどうなっていくのか、サポーターのみなさんと大切な時間を共有して、盛り上がるような時間を刻めたらなと思います」と締めくくった。
By サッカーキング編集部
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