試合後、サポーターに挨拶する闘莉王(左) [写真]=三浦彩乃
2016 明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第17節が3日に行われ、名古屋グランパスは湘南ベルマーレに1-3で敗北した。試合後、元日本代表DF田中マルクス闘莉王がコメントを残している。
勝ち点3を奪って逆転残留を狙った16位の名古屋だったが、すでに降格が決定している湘南にMF山田直輝のミドルシュートなどで2点を先行される厳しい展開。後半に入ってシモビッチがPKを決めて1点差に詰め寄ったが、その後闘莉王のボールロストから再び山田に3点目を奪われて終戦。1-3と敗北し、名古屋は初のJ2降格を味わうこととなった。
シーズン途中から復帰し、精神的主柱としてチームを支えた闘莉王が、試合後にその悲痛な胸の内を明かした。「ここまで来れたにも関わらず、結果を最後に出せなかったことが、悔しくて悔しくて。今まで自分のサッカー人生の、色んないい出来事を、この残留に代えても良かったくらいの、非常に悔しい思いでいっぱいです」と、時折言葉を詰まらせながら思いを口にした。
試合については「終わった後はなんとでも言えるんですけど、この間の神戸戦から、ちょっと攻めに出るのがいい方向にいかなかったていうのと、今日の相手の1点目も、ああやって見事にスーパーゴールを決められると、流れというものが非常に難しくなっていきますね」と主導権を握られるきっかけとなった最初の失点を振り返っている。その上で「自分のミスのところを、きちんと相手にね、また決められて。非常に、残念としか思わないのと、悔しくて仕方ないです」と自身のボールロストから叩き込まれた3点目に悔しさを滲ませた。
今後については「まだ何も考えてないですね。もうこの試合全てに人生を懸けてきたわけですから、まだ自分の中では整理つかないです」と去就について明言は避けた。その上で「このチームで優勝させてもらって、素晴らしさも肌で感じているわけですから。サポーターたちをこうやって悲しませるのは、非常に辛いこと。もう一回本当に強い名古屋グランパスを作るためには、すべてに関わっている人たちが同じ方向に手を引っ張り合いながら前に進むことを望んでます」とクラブの今後を展望した。
繰り返し「自分の責任」などと反省の言葉を並べた闘莉王は最後、ホームに詰めかけ声援を送り続けた多くのサポータに対して「声はすごかった。こんな嫌な思いをしながらも、自分を応援してくれているんだなと感じましたし、それが本当にいろんなことを捨ててでも帰ってきてよかったなと思える瞬間でした」と感謝を述べて、その場を去った。
“オリジナル10”の一角としてJリーグを引っ張ってきた名古屋だが、復帰した闘莉王の健闘も虚しくJ2降格の憂き目にあった。闘莉王がこのユニフォームに身を包みプレーする姿を、我々は再び目撃することができるのだろうか。
By サッカーキング編集部
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