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【コラム】チームとともに成長目指す…群馬加入内定の日体大MF高井和馬「僕が強くする」

2016.12.25

日体大では10番を背負い、主に左サイドハーフを務めた [写真]=岩井規征

 大学サッカー界注目の逸材がザスパクサツ群馬に加入する。今季、JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグで14得点を挙げ、得点王に輝いた日本体育大学MF高井和馬。J1を含む複数のクラブから打診を受けた中、彼が最終的に選んだのは「自分を本当に必要としてくれていると感じた」という群馬だった。

 25日、高井の来季群馬加入内定がクラブから発表された。選んだ基準は「自分が成長できる場所」。高校時代は千葉県リーグに所属する千葉SC U-18で群を抜く才能を発揮し、Jクラブからも注目を集めていた。その中で卒業後は日体大へ進学。4年間で「プロで通用する選手」への成長を目指した。特に鈴木政一監督の指導を受けた3、4年生での2年間は、「自分を変えてくれた」と大きな収穫を得た。

「サッカーを何も知らない状態から大学に入って、政一さんに教えてもらった。監督が来たばかりの頃は『止まって受けるな。動きながらプレーしろ』とよく言われたけど、今はそれができるようになったと思うし、ゴールも取れるようになった。監督は『お前にかかってるよ』と期待してくれて、自分を中心にチームを作ってくれた。そのおかげで、サッカーでも精神面でも成長することができた」

 最終学年となった今季は、前期リーグで3得点にとどまりながら、後期リーグ11試合で11得点と爆発。得点王に輝き、ベストイレブンに選出された。チームメイトのDF高野遼(来季横浜F・マリノス加入内定)から「本当に大事なところで点を取ってくれる“仕事人”」と称賛されるほど、チーム内で絶対的な地位を築いた。

 リーグ戦終了後、群馬の練習に参加した。獲得に興味を持ってくれた他クラブとの間で心は揺れたが、より高いレベルを目指すための第一歩として、前向きな気持ちで群馬への加入を決意した。

「正直、環境面はすごく良いとは言えないと思う。でも、ここなら自分がレベルアップできると感じた。1年目から試合に出ることが大事だし、群馬は周りに何もない分、サッカーに集中できるから」

 先輩の大卒選手たちの存在も加入を決めた理由の一つだ。2015年に流通経済大学から加入した江坂任、2016年に明治大学から加入した瀬川祐輔はいずれもルーキーイヤーでリーグ戦42試合に出場し、13得点を記録。チームの主軸として活躍し、J1の大宮アルディージャへステップアップを果たしている。

 目先の目標は1年目から先輩たちを超える活躍を見せること。それが上のステージへ行くことにつながる。しかし、ほしいのは自分自身の結果だけではない。日体大でも「チームの勝利のため」にプレーし続けたことが、個人の成長とプロ入りにつながったからだ。

「1年目から目に見える活躍をして、群馬の力になりたい。『僕が群馬を強くする』という思いでやりたい」

 群馬でJ1へ。チームの勝利のためにピッチで全力を尽くすことが、何よりも自分の成長につながる。高井が貫く姿勢は、プロの世界に行っても変わらない。

文=平柳麻衣

By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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