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槙野&宇賀神が「走り」を強化、浦和の始動前に自主トレ合宿を実施

2017.01.12

秋本コーチ(中央)の指導の下、自主トレを行う宇賀神(左)と槙野(右)

 戦いはすでに始まっている。1月8日〜10日にかけて、浦和レッズのDF槙野智章とMF宇賀神友弥が自主トレ合宿を行った。

 合宿初日と2日目は、体幹を鍛える筋力トレーニングやスプリントトレーニングを午前と午後の2回に分けて実施。激しい筋肉痛に悲鳴を上げながら、最終日はスプリント中心のトレーニングを行った。

宇賀神友弥

「彼らは一番長く教えているサッカー選手。走りが安定してきたので、僕からの要求も高くなっています」と語るのは秋本真吾氏。元陸上選手で、現在はサッカー選手やプロ野球選手、ラグビー選手など数多くのプロ選手を指導するスプリントコーチだ。

 槙野と宇賀神が「走り」のトレーニングに取り組み始めて4年目を迎えた。「サッカーに落とし込まなければ意味がない」と秋本コーチが話すように、「走り」の基本を身につけた今では、実戦を意識したトレーニングを行っている。フリーランニング時はどういう走りをしているのか、相手選手のマークにあっている時はどうだろうか、一対一の局面ではどういう動きをしているのか。コミュニケーションを取りながらトレーニングを進めていく。例えば、槙野が「サッカーだとこういうシチュエーションになる」と言えば、秋本コーチがその場でトレーニングに取り入れる。そうすることで、通常のスプリントトレーニングが、“サッカー選手用”のスプリントトレーニングに変化し、より実戦に近い動きでスプリント能力を高めていくことができる。

槙野智章

 またトレーニング中は動画チェックを欠かさない。その場で動きを確認することによって自身の走りを自覚させ、修正点や課題に対する理解度を高めることができる、と秋本コーチは言う。夜には、座学で細かく分析した動画を見せながらレクチャーを行うという徹底ぶりだ。

「初めて練習した時に動画を撮ったんですけど、『本当に自分なのか?』と疑うくらいに自分の走りがひどくて(笑)。その段階から間違いなく変化したし、試合中のパフォーマンスに反映されていると感じています。特にスピードの向上を実感していますね。秋本さんはできていないところをはっきりと言ってくれる。それが自分の変化や進化につながっています」(槙野)

「僕も、最初に撮った映像が未だに頭に残っています(笑)。いかに非効率な走り方をしていたかが分かりました。トレーニングを重ねて、今は効率良く走れるようになりましたね。自分のポジションはアップダウンを繰り返さなければいけない。他の選手よりもボールがないところでのロングランが多いんですよ。そのロングランの時に100パーセントの力を注いで出していたスピードが、今では80パーセントの力で出すことができる。それが一番感じている変化です」(宇賀神)

槙野智章

 もちろん、ここで満足する2人ではない。今回のトレーニングでは、「初速を上げたい」と何度も口にしていた。宇賀神が「僕は一対一に自信を持っているほうではないので、速い相手にどう対応するかが大事。今季はまたACL(AFCチャンピオンズリーグ)もあるので、個の戦いが重要になってくると思います。そこを強化できれば、チームとしての勝利も近づく」と語れば、槙野もまた「ボールを奪うためにはどうすればいいのか、相手に勝つためにはどうすればいいのか。そう考えた時に、初速が大事だなと。いかに最初の一歩で踏ん張れるか。それによって次のプレーにもつながる」と強調する。

 昨季、年間で最も多く勝ち点を積み上げながら、明治安田生命2016 Jリーグチャンピオンシップ決勝で鹿島アントラーズに敗れ、リーグ優勝を逃した浦和レッズ。11年ぶりのリーグ制覇へ向けて、2人の活躍に期待が高まる。

By サッカーキング編集部

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