左から名古屋の佐藤、風間監督、開幕で対戦する岡山の長澤監督、赤嶺
FW佐藤寿人の向上心が尽きることはない。「自分に限界を作らずに、まだまだ学んで吸収したい」。そう言って、34歳のストライカーは目を輝かせた。
佐藤は12年間在籍したサンフレッチェ広島を離れ、今季から名古屋グランパスのユニフォームをまとって戦う。「1年で(J1に)戻ることはもちろんだけど、僕たちは『うまくなりたい』と思って練習をしています。今年だけではなく、先も続いていくので、現状に満足してしまっては成長がない。選手全員がそういう意識で取り組んでいけば、個が伸びていくはずです。個が伸びれば、チームも伸びていくと思う」。J1復帰だけではなく、さらなる個の進化を宣言した。
新天地では特別扱いもないという。「広島ではベテランの扱いをしてもらっていたんですけど(笑)」と冗談を交えつつ、「ここではトレーニングもフルメニューを消化しています。限界を自分で設定してはいけない」と語る。まるで新人のようなギラギラした野心を持つストライカーは、同時に、「まだまだ学びたい。そういう姿勢を持って取り組めば、成長できると思っています」と謙虚な姿勢を崩さない。
そんな姿は取材対応にも表れていた。この日は2017 Jリーグキックオフカンファレンスに出席。最後まで報道陣の取材に応えていたのが佐藤だった。クラブ史上初のJ2を戦う名古屋は注目度が高く、風間八宏監督と同じく主将の佐藤はひっきりなしに声をかけられていた。疲れを見せずに一つひとつ丁寧に応えていく。取材の合間には、森保一監督(広島)と握手を交わす場面があり、「ケガをしないように」という一言に佐藤は大きく頷いた。
「まだまだ『止める』、『蹴る』の部分でも成長できる。なかなかプロの選手で、そこまで考える選手はいないと思うんです。でも、チーム始動からそういうことを続けていくなかで、もっと高められると感じています。特に若い選手は、風間監督の下で成長できると思う。僕も気持ちは常に若いですからね」
まずはJ1復帰を目指し、謙虚で貪欲なストライカーが若々しくチームを引っ張る。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト