■鹿島アントラーズ リーグ連覇へ油断なき王者、大型補強でチーム内競争も過熱
リーグ連覇を狙う鹿島はホームでFC東京を迎え撃つ。石井正忠監督は開幕の試合について「ただの1試合だとは思っていません。スタートが大事になる」と強調。レオ・シルバ、ペドロ・ジュニオール、レアンドロ、クォン・スンテと助っ人枠4を全て入れ替えるなど、大幅な補強を行った。お互いの信頼関係や連係を構築する上で、良いスタートを切れるか、切れないかは今後のチーム運営に大きく影響すると考えている。
その点で、ゼロックススーパー杯の浦和戦、ACL開幕戦の蔚山現代戦を連勝でスタートできたことは大きな意味を持つ。先発を6人入れ替えての勝利に、金崎夢生は「メンバーが代わってもやることは変わらない。そういうのもチームとして出せたかなと思う」とチームの収穫を挙げながら、「どのポジションも気が抜けない」という危機感も口にしている。
リーグ開幕戦でも蔚山現代戦から先発メンバーの入れ替えが行われるようだ。注目されたボランチは、小笠原満男、レオ・シルバがコンビを組み、FWではペドロ・ジュニオールが先発に復帰する見込み。2列目は土居聖真、遠藤康で臨む。同じく大幅な戦力補強を行ったFC東京を勢いづかせないためにも、ホームで開幕白星発進したいところだ。(totoONE編集部)
■FC東京 王者撃破へのカギは「球際の勝負」
大型補強を行い、特に攻撃陣が入れ替わったFC東京にとって、期待のシーズンが開幕する。大久保嘉人、 高萩洋次郎、永井謙佑ら、新加入選手は適応力も高く、チームへのフィットはここまでスムーズにきたと言えるだろう。中島翔哉を含め、前線には異なる特徴を持つ選手が揃うが、現時点ではメンバーを固定せずにトライを続けてきたため、コンビネーション不足は否めない。試合や相手によってメンバーを使い分け、多彩な攻撃パターンを見せるためには、今後、さらに熟成度を高めていくことが必要だ。
開幕戦は、昨季王者との対戦でもあり、まずは篠田善之監督の元、昨季から継続して積み上げてきた「堅守」を発揮したい。監督自身も「鹿島は個々の能力が高く、新たな選手が加入してもチームとしてのまとまりがある。彼らにスペースと時間を与えると、自由にプレーさせることになる」と警戒する。そのため、レオ・シルバや小笠原満男、永木亮太を擁する鹿島の中盤に対して、球際の勝負で上回ることができるかがカギ。セカンドボールを拾って攻撃に転じ続けることができれば、カウンターからのチャンスを増やせるはずだ。
2007年以来勝利がなく、苦手とするアウェイ・カシマスタジアムだが、高萩にとっては「(2013年シーズンの広島において)優勝を果たしたスタジアム」。永井も「プロ入り後初めて複数得点をとった場所」(2012年6月16日J1・第14節)と、ことさら苦手意識はなく、選手それぞれに「打倒、鹿島」というモチベーションは高い。新加入選手がもたらす精神的な効果も活かして勝利をつかむためには、90分間に渡って隙を作らず、手堅いゲームに持ち込めるかがポイントになるだろう。(totoONE編集部)