FOLLOW US

【ライターコラムfrom甲府】走りまくる32歳 J1屈指の“スプリントマン”松橋優

2017.05.11

甲府に所属する松橋 ©J.LEAGUE PHOTOS

 明治安田生命J1リーグ第1節・ガンバ大阪戦でヴァンフォーレ甲府の今季初ゴールを決めたのは松橋優だった。そこから9試合を見て、あのゴールが偶然で無かったことに気づかされている。松橋のポジションは右のウイングバックで、[5-3-2]の布陣ではかなり後ろ寄りだ。それでも松橋は決定機によく絡んでいる。

 5月7日の第10節・ジュビロ磐田戦ではまず13分に畑尾大翔のフィードからDFの背後へ抜け、GKカミンスキーの好カバーに防がれたものの「あわや」の場面を演出。59分にもドゥドゥの折り返しからエリア内に飛び込み、GKと1対1の場面を迎えた。この左足シュートは枠の右に外れてしまい、本人も「良いトラップができたので思い切り打とうと思った。決めなければいけないですね」と悔いる。ただスコアレスドローに終わったこの試合で、最大級の決定機だった。

 松橋を見ているとG大阪戦、磐田戦に限らず毎試合のようにこういう場面がある。今季の甲府は流れの中で4点しかとっていないのだが、そんなチームにあって最も”得点の香りがする男”は松橋かもしれない。

 これにはまず彼が「よく走っている」というシンプルな理由がある。Jリーグが発表しているトラッキングデータを見ると、松橋は磐田戦で両チーム最多となる31回のスプリントを記録していた。彼はJ1屈指の“スプリントマン”で、第9節・ヴィッセル神戸戦で記録した「34本」は、この節の全試合全選手の中で最多。今季はほぼフルタイムで出場(899分)し続けているにもかかわらず、走りの質と量に落ち込みは見られない。もちろん周りのスペースを空ける動きや、松橋の適切な判断もあるのだが、無駄走りも厭わず走っているからこそ彼に決定機は訪れる。

松橋優

突破を図る松橋 [写真]=Getty Images for DAZN

 そんなハードワークについて聞くと、朴訥としたいつもの調子でこう口にする。「多少キツイですけれど、そんなことは言っていられない。頑張るだけです。チームを助けられるような走りをできたらいいと思ってやっている。もっと助けられるように、もっと走れるようにしたい」

 もちろん決定機の数には意味がなく、逆に「松橋が決め損ねた」というもどかしさを感じているサポーターもいるだろう。そこは松橋も磐田戦後に「勿体ない試合でした。決めなければいけないですね」と悔いていた部分だ。しかし見方を変えれば最後の詰めさえ伴えば彼もチームももう一つ上に進めるという”希望を持てる課題”でもある。

 今季の活躍には単なるハードワークで説明できない「プラスアルファ」がある。走力、身体能力は国見高や早稲田大の頃から抜群だった。松橋は城福浩監督が甲府の指揮を執っていた12年にサイドバックへと転向。その後は対人能力の高さから3バックの一角を任されることもあった。一方で13年には出場14試合で3度の退場処分を受けるなど、粗さを露呈したこともある。

 今季の松橋はまだ一度も警告を受けていない。この部分を本人にぶつけると、ちょっと“間”を置いてこういう答えが返ってきた。「そこら辺は何も意識していない。J1だとフリーキックが上手い選手が多いので、自陣ではファウルしないように心がけている。あとは無駄なファウルをしないというくらい」

 本人は「何も意識していない」とのことだったが、チームの連携、彼自身の守備力などで何かしら進歩はあるのだろう。

 シュートの本数は昨季が29試合で5本。今季は10試合ですでに7本と増えている。吉田達磨新監督を迎えて、甲府のスタイルはよりアグレッシブに変化しつつある。この数字はそんな反映だろう。加えて選手たちはスペースを空ける、探す、突くといった部分で「考える」ことも要求されるようになった。

松橋優

©VFK

 彼は言う。「そっちで付いていけない部分もあるので…。しっかりついていけるように、日ごろ努力しています。達磨さんの練習は本当に頭を使うし、常に考えておかないと、しっかり準備しておかないといけない」

 松橋は現在32歳で、一般的にはハードワークが厳しくなる年齢だろう。ただ松橋は苦笑いしながらこう口にする。

「42歳の土屋(征夫)さんとか克さん(石原克哉/38歳)とか臣くん(山本英臣/36歳)もいますし、32歳の自分がキツイとは言っていられない。ここから自分も成長できると思っている」

 甲府は”オーバー30”に支えられるクラブだし、過去にも30歳を過ぎてから成長を見せている選手がいた。32歳の松橋が見せている進化はともすると大きな驚きだが、クラブの歴史を振り返ってみれば全く珍しくない現象だ。「ベテランが頑張らないとJ1に生き残れない」という立ち位置が、きっと彼らのやりがいやエネルギーになっている。

 ベテランの頑張り、もう一伸び--。それは松橋に限らず、甲府というクラブを観察する楽しみの一つだ。

文=大島和人

【PR】 WINNERでJリーグをさらに面白く!

WINNER J.LEAGUE 2024

サッカーキング編集部が注目カードを大予想! アナタはどんな試合結果を予想する?

堅実さ重視、大穴狙い、推しクラブ一択……1試合予想くじWINNERでJリーグの熱い戦いがもっと楽しくなる!

  1. 推しのクラブ、予想しやすいゲームなど“1試合”から予想・購入できる!
  2. インターネット決済なら試合開始10分前まで購入可能!
  3. くじの売上の一部はアナタが応援するクラブにも還元される!

【PR】「ABEMA de DAZN」学割プラン!
2/28迄のお申し込みでなんと半額に!

ABEMA de DAZN 学割プラン

「ABEMA de DAZN」は、ABEMAでDAZNスタンダードのコンテンツ(※1)が視聴できるプラン。 Jリーグ、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アンなどすべてのDAZNスタンダードコンテンツがABEMAで楽しめる。

今なら学生向けプラン「ABEMA de DAZN 学割プラン」(※2)を提供中! 通常の年間プランの半額となる年額16,000円(実質、月額1,333円)で視聴が可能になるプラン。明治安田Jリーグ/ラ・リーガ/セリエA /リーグ・アン/ポルトガル・リーグ/F1などをこの機会に楽しもう!

※1 プロ野球、DAZN LINEAR、追加有料コンテンツ(ペイ・パー・ビュー)は対象外。
※2 高校生、専門学生、短大生、大学生、大学院生が対象。

  1. 「ABEMA de DAZN 学割プラン」なら通常の半額となる年額16,000円(実質、月額1,333円)で視聴可能!
  2. Jリーグ、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アンなどコンテンツが盛りだくさん!
  3. コメントしながらのライブ観戦追っかけ再生見逃し配信など楽しみ方も充実!

【PR】Jリーグを楽しむなら
「DMM×DAZNホーダイ」!

DMM×DAZNホーダイ

「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZNスタンダードをセットで利用できるプラン。単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZNスタンダード月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です!

  1. 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!
  2. Jリーグをはじめとする様々なスポーツ、アニメ・エンタメが見放題で楽しめる!
  3. 新規入会月から3カ月間、「DMMポイント」が毎月550ポイントもらえる!

SHARE

SOCCERKING VIDEO