【新潟vs磐田プレビュー】新潟は加藤大のボランチ起用で光明を見いだす…磐田は2トップが好調を維持

磐田はFWの川又堅碁(20番)が直近3試合で3得点2アシスト。中村俊輔(10番)の体調はベストではなさそう [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

■アルビレックス新潟 加藤大は配球力に優れ、運動量も豊富

【プラス材料】
 リーグ前節は鹿島に0-2で敗れ、今季2度目の4連敗。結果にはつながらなかったが、苦しい状況を変える策の1つとして、鹿島戦ではロメロ・フランクに代わり、配球力に優れ、運動量のある加藤大がボランチに起用された。前半はバー直撃のミドルシュートを放つなど、加藤もただパスを散らすだけでなく、自ら攻め上がる積極性を発揮した。

 加藤の中盤起用の恩恵に預かるのがチアゴ・ガリャルドだ。パスを交換してマークをはがし、前を向きやすくなったことで、決定的なパスが増える可能性が高まった。

 守備でも加藤は厳しく競る姿勢を貫いた。対人の強さではロメロ・フランクに軍配が上がるが、ボランチでコンビを組む小泉慶が持ち味の守備力を発揮すれば十分に補完できる。ボール保持率が上がれば陣形を整える時間も増える。中盤の新たな骨格ができつつある。

【マイナス材料】
 失点すると、途端にバランスを崩す。悪癖が前節の鹿島戦でも顔を出してしまった。前半は前からボールを奪いにいくところと、それができなければ自陣に引いてブロックを敷き、相手の攻撃をはね返す守備がうまく機能。良い形でボールを奪って攻めるカウンターからチャンスもつくった。

 しかし57分、CKの守備が乱れ、最後はペドロ・ジュニオールに押し込まれて先制されると、にわかに最終ラインが安定感を失い、鹿島のコンビネーションプレーに中央を破られて追加点を奪われた。

「セットプレーはマンマークで守っている。もっと責任を持たなければ」と、ゲームキャプテンを務めた矢野貴章は、各自のさらなる自覚を求める。自信のなさが守備のもろさに反映される悪循環を、一刻も早く断たねばならない。

文:totoONE編集部

■ジュビロ磐田 6月の3試合は計9得点と攻撃陣が爆発

【プラス材料】
 磐田は優勝候補のG大阪、浦和、FC東京を破り、2012年以来の3連勝を飾った。5月の4試合は無得点で未勝利に終わったが、6月の3試合は計9得点と攻撃陣が爆発。上り調子で7月を迎える。

 好調の攻撃陣を支えるのは、関係性が向上した2トップだ。リーグ戦直近3試合でアダイウトンは3得点3アシストを挙げ、川又堅碁も3得点2アシスト。FC東京戦でもそれぞれ得点し、今節の活躍も期待される。

 過去の新潟との敵地でのリーグ戦は11試合中1試合しか無得点がなく、21得点を挙げた。敵地戦でも5勝4分2敗と勝ち越しており、相性は良い。

 チームは29日に現地に入った。試合2日前移動は過去2年間で10勝1敗。2006年以来の4連勝へ、万全の態勢を整えた。

【マイナス材料】
 強豪相手に3連勝し、今節の相手は最下位に沈む新潟。「勝って当然」という雰囲気が流れるなか、ここ最近と同じようなプレーができるかが問われる。

 今季対戦した9位以上の8チームとの戦績が4勝1分3敗なのに対し、10位以下の戦績は3勝3分2敗。下位相手に勝ち切れない試合が続いている。

 3連勝した直近3試合はボールを支配される時間が長かったが、新潟戦は支配率が上がるはず。好調の2トップは前線にスペースがあるほど、持ち前の速さが生きるタイプだけに難しい展開が予想される。前掛かりになった時のカウンターにも注意が必要だ。

 大黒柱の中村俊輔のコンディションも気がかり。FC東京戦の疲労を考慮し、今週は全体練習を早めに切り上げる日もあった。出場に支障はないが、万全とは言えない状況か。

文:totoONE編集部

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